2015年12月22日火曜日

【記者手帖】「一寸ずり」も旅の風情

JR日豊本線の特急列車が大分駅に近づくと、地元の魅力を紹介する車内放送が流れる。声の主は「世界の車窓から」のナレーションでおなじみの大分県出身の俳優、石丸謙二郎さん。別府湾の景色と相まって旅情をかき立てられる。歴史や文化、食などいくつか種類があり、先日は「一寸ずり」だった◆車内放送によると、「一寸ずり」とは少しずつしか進まないことを指す大分の方言。渋滞や行列などを表し、JRと並走する国道10号、通称「別大国道」はかつてはその代名詞のように言われていたとか◆現在の別大国道は、特に渋滞がひどかった別府市から大分市までの区間が6車線化されるなど拡幅事業が完了し、朝夕や観光シーズンの渋滞は解消された。車内放送を聞いていて、十数年前に友人とのドライブで渋滞に巻き込まれたことを思い出した◆インフラのストック効果をPRしようという動きが国や自治体で広がっている。パネル展示やホームページへの掲載が中心のようだが、地域性を出した伝え方や交通事業者などとの連携を考えても面白いのではないだろうか。(松)

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