日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、田中宏幸議長)は11日、「15年度女性技術者会議」を東京・丸の内の東京国際フォーラムで開いた。
「誰にとっても働きやすい建設産業」の実現に向け、建設業で働く女性の意見を積極的に取り入れる趣旨で実施しており、初開催から7年目の会合となった。
加盟組合から18人の技術職の女性が参加。3グループに分かれて、「作業所環境の改善」について議論し、対応を発表した。日建協は提言活動に生かす。
冒頭、時枝将雄日建協副議長は「日常の業務の中で感じていることや課題の率直な意見を述べてほしい。今後の活動に生かしたい」とあいさつした。
グループによる議論では、所定外労働時間削減、休日取得、多様な働き方、女性技術者増加を切り口に作業所環境の改善策を検討した。問題解決や課題の解決に用いられるマンダラチャートを利用するとともに、ほかのグループのメンバーとも協議するワールドカフェ方式を取り入れ、各グループが意見をまとめた。
議論に先立って、木村よし子国土交通省土地・建設産業局建設業課課長補佐、西岡真帆清水建設人事部ダイバーシティ推進室長の講演が行われた。木村補佐は、女性の活躍を後押しする政策の現状を説明し、「女性が働きたい時に働けるようにするのが大切。先は長いと思うが働きやすい環境に一歩一歩していきたい」と述べた。
西岡室長は、土木技術者として現場などで奮闘したエピソードを交えながら入社からのキャリアを紹介し、「自分を変えれば状況を変えられる」とエールを送った。現在は、ダイバーシティー(人材の多様化)を担当していることから、「個性を生かす展開に持っていきたい」と述べた。
◇建コン業界も若手技術者が知恵絞る◇
建設コンサルタンツ協会(建コン協、長谷川伸一会長)の会員企業の若手でつくる「業界展望を考える若手技術者の会」(伊藤昌明代表)は4日、建コン協関東支部の「若手の会ワーキンググループ(WG)」と「女性の会WG」と合同交流会を開いた。
20~30代の若手技術者27人が参加した。建コン協内の若手組織による合同会合は全国で初めて。
会合では「30年後の業界のあるべき姿とは」「その実現のために行動すべきことは」をテーマにワークショップを行った。
参加者からは、若手メンバーが意見交換できる場づくりや、結婚・出産・子育ての時期を迎える女性技術者の駆け込み寺のような組織づくりの必要性に加え、「経営者任せでなく、若手自身が魅力的な仕事、ワークスタイル、ワークプレースを打ち出した将来ビジョンをつくることが大事だ」とする意見が出た。
長時間労働や離職者問題などの負の側面からでなく、「若手が業界の将来を描き行動しているといった明るい話題を業界内外へ発信することが必要だ」などと指摘する声も上がった。
若手技術者の会は、今回の会合を契機に、業界の活性化に向けて全国10支部の若手組織との交流・連携を検討する。
0 comments :
コメントを投稿