2015年12月10日木曜日

【世界で活躍する人材を】芝浦工大が建築学部設立、17年4月始動めざす


 芝浦工業大学(東京都江東区、五十嵐久也理事長)は、17年4月に同大の豊洲キャンパスに「建築学部」を新設する構想を発表した。工学部建築工学科など既存の建築やデザイン関連の2学科1領域を統合・再編し、1学部1学科3コース編成とする。

 未来を見据えた新たな建築教育を実践し、確かな技術力を持った世界で活躍できる人材を育成するのが狙い。定員は合計240人。開設に合わせて、キャンパス内に1、2年生用の製図室も整備する。

 16年4月に文部科学省に設置の届け出を行い、同8月に認可が下りる予定。国内の大学で建築学部が設置されるのは、工学院大学と近畿大学に次いで3番目となる。

 建築学部の設立に当たり、既存の「工学部建築学科」「同建築工学科」の2学科と「デザイン工学部デザイン工学科(建築・空間デザイン領域)」の1領域を統合し、建築学科の1学科構成とする。

 建築学科は、総合的な視点から豊かな生活環境を創造する「空間・建築デザインコース」と、21世紀の建築と都市をデザインする「都市・建築デザインコース」、建築をベースに身近な諸問題から環境問題、国際問題の解決に貢献する「先進的プロジェクトデザインコース」の3コースを設定し、入学試験もコースごとに行う予定。30人の専任教員が指導に当たる。

 建築学部の前身となる既存の2学科1領域の学生は、1、2年次に大宮キャンパス(さいたま市見沼区)に通学しているが、建築学部は学部の4年間と大学院の修士課程(2年間)の最大6年間、豊洲キャンパスで一貫教育を行う。

 学部新設に向け、豊洲キャンパス内で1、2年生用の製図室の整備も計画している。建物の規模は平屋640平方メートル程度。ガラス張りで、ラウンジを備え、開放感があり気軽に立ち寄れる雰囲気を演出する。設計は日建設計が担当し、施工者には鹿島が内定しているという。

 同大は創立100周年を迎える2027年に向け「理工系私学のトップになる」との目標の下、さまざまな戦略を展開。建築学部の新設もその一環となる。このほか、東京都板橋区にある「芝浦工業大学付属中学高等学校」も豊洲に移転し、17年4月に開校する予定だ。

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