工業高校を卒業し、建設会社に就職した若者の定着率が思いのほか高いようだ。建設業振興基金が全国の工業高校にアンケートしたところ、定着率が「高い」「比較的高い」との回答が4分の3を超えたとのニュースを9日付の本紙で報じた。これまでは、「高卒で就職しても多くは3年以内に辞めてしまう」と言われていたのだが…▼離職が多い背景には「3K(きつい、汚い、危険)」や他産業と比べた処遇の低さなどが指摘される。定期採用を行わないため年の近い先輩社員がおらず、相談相手が身近にいないことも課題とされる▼こうした問題を解決しようと、業界や行政もさまざまな角度から対策を練り、処遇改善、安全性向上、休日増加などに取り組む。「新3K(給料、休暇、希望)」なる言葉も定着してきた▼振興基金の調査では定着率の数字までは分からないが、インターンシップや出前講座などを含め在学中の職業教育や資格取得奨励策が就職後の生活をイメージさせ、定着につながっている可能性がある▼若者にこの産業の魅力を伝えるために取り組む試行錯誤の方向は間違っていないようだ。
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