2016年6月24日金曜日

【まずは〝安全第一!!〟】日建連、岩手県で現場パト



 ◇復興道路2カ所、安全対策徹底を◇

 日本建設業連合会(日建連)は全国安全週間(7月1~7日)を前に、伊藤寛治安全委員会委員長(飛島建設社長)による現場パトロールを22日に行った。

 岩手県内で本格化している東日本大震災の復興道路・復興支援道路の建設現場のうち、三井住友建設・日本国土開発JVが施工中の「国道45号樫内地区トンネル工事」(東北地方整備局発注、宮古市崎山)、大成建設・錢高組・東日本コンクリートJV施工の「国道45号摂待道路工事」(同、宮古市田老)で実施。伊藤委員長は「工事量が増加している東北地区で事故が目立つ。安全管理に最善の努力で対応してほしい」と現場関係者らに呼び掛けた。

 現場パトロールは全国安全週間の準備期間(6月1~30日)に「災害防止対策特別活動」として毎年行っている。今年は、先に行われた国土交通省など公共発注機関との東北地区の意見交換会で事故件数の増加を指摘されたことなどを踏まえ、日建連東北支部や会員各社が現場の安全管理の徹底に一段と力を入れている。

 三井住友JV(生野嘉明所長)と大成JV(小原克己所長)の両現場でパトロールを行った伊藤委員長は「東北地区で事故が多発している原因として、超繁忙であること以外に、作業員不足に伴う新規入場者、未習熟な技能労働者の増加が挙げられている」と指摘した。

 今後の対応について「新規入場者を見た目で分かるようにするほか、作業に対する習熟度が高まっていることを確認できる仕組みなど、現場側でいろいろと考えてもらいたい」と述べ、周囲が新規入場者や未習熟者により目を配れる環境づくりを求めた。

 三井住友JVは宮古田老道路(延長約21キロ)の自動車専用道路のうち、樫内地区でトンネル2カ所(総延長2028メートル)の建設と田代川橋(橋長170メートル)の上下部工を担当。既に2本のトンネルは貫通し、覆工コンクリートを施工中。橋梁工事では橋脚2基の構築作業を進めている。

 工事用の取り付け道路で狭い箇所があり、周辺には民家も点在していることから、ダンプトラックなど工事用車両の位置情報を一元管理できる運行システムを導入。車両交通の円滑化と安全性の向上を図っている。

 大成JVは三陸沿岸道路のうち、向新田~上摂待~下摂待地区の本体工事(トンネル工、橋梁上下部工、道路改良工)、仮設の生コンプラントの整備を担当。トンネルは摂待第1(延長1355メートル)、摂待第2(同1772メートル)の2カ所を整備し、第1は昨年9月に貫通した。第2は全体の約8割の掘削が完了。両トンネルをつなぐ摂待大橋(橋長234メートル)は橋脚2基の躯体工事を進めている。

 現場内での安全対策として▽ジャンボマンゲージへのプロテクター設置(切羽の肌落ち災害防止)▽無線式重機接近監視装置の設置(作業員と重機の接触事故防止)▽橋脚工事に主筋以外の鉄筋を6段分地組みしてつり込む「NOPキャリイ工法」を採用(鉄筋組み立て作業の簡素化・安全性向上)▽橋脚部で大型システム型枠を採用(省力化と施工精度の向上)-などに取り組んでいる。


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