◇国内外で活躍できる技術者に◇
入庁から5年目。行政の仕組みや働き方にも慣れてきて、建築技術者としての自身の課題と目標がより明確になり始めてきた。
14年度から所属する現在の部署は、JR山手線の外周部を中心に分布する木造住宅の密集地域で進める「都市防災不燃化促進事業」を所管。耐火・準耐火建築物への建て替え、老朽施設の解体、仮住まいの確保などに要する建築主の費用の一部を補助している。
2年間の経験を踏まえ、与えられた職責をより高い水準で全うすることが本年度の目標だ。「補助金の申請内容を審査する際は、これまで以上に現場に足を運び、住民の目線で課題を解決することを心掛けていく」。
昨年、都の防災事業を紹介するためにバングラデシュへ派遣された先輩の姿も刺激になっている。「将来は、語学力や都の歴史に関する知識などを深め、国内外に都の施策を発信していきたい」。
建築と海外に関心があるのは、家族の影響もある。子どものころ、両親と旅行した欧州で見た荘厳な教会や美術館などの建築物が今でも忘れられない。建築関係の研究者として大学に籍を置く叔父は、歴史的建造物の保全や修復、途上国の地震防災などの活動で世界を飛び回るプロフェッショナルでもある。
憧れだった技術者の道を歩む醍醐味(だいごみ)を知るのはまだこれから。「今できていないことは、これからやりたいこと」と苦しいことも原動力に変えていく。
(防災都市づくり課防災事業担当、さかべ・ふみ)
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