「伝える」と「伝わる」の意味はどう違うのか。とてもよく分かる本を書道家の武田双雲氏が執筆し、『伝わる技術』(ベスト新書)のタイトルで出版した▼武田氏は独創的な書体の作品で知られ、映画やテレビドラマなどの題字・ロゴも多く手掛ける。そんな書道家が仕事や人間関係などでの「伝達力」に着目して書いたのが本書。「伝える」のではなく「伝わる」を意識することの大切さを説く▼これだけ伝えているのに、なかなか理解してもらえない-。ついそう思ってしまう場面が誰にも少なからずあるだろう。確かにもどかしいことだが、「伝わる」という相手の目線に立てば、これまでとは違ったアプローチが見えてくるかもしれない▼〈何か伝えたいことがあるなら、「迎合」の姿勢からポジティブな要素を抜き出し、実践することです〉と武田氏は書いている。「迎合」とは「迎えて合わせる」こと。「伝わる」ためのコミュニケーションができるのはこの迎合ができる人だという▼さて、今日は職場や家庭で「伝わる」ために何をしよう。こう考えるだけでもいつもと違う一日を過ごせる気がする。
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