2016年6月27日月曜日

【30分だけ手伝うよ】建設業の心温まる物語・4-遠鉄建設(静岡県)・尾嶋幸一

私は、建築工事現場の現場監督をしています。

 とある現場での出来事です。仮設工事で、私の拾った数量が少なく現場で材料が足りなくなってしまいました。このままだと工期が遅延してしまいます。私は頭を抱えてしまいました。その時職人さんが、別の材料を使ってその現場にあうように加工し、現場で対応してくださったのです。さらには、別の組み立て方法で工程短縮につながるようなことを教えてもくれました。

 困ったことは続きます。雨天が続きどうしてもコンクリート打設工期が間に合わなくなってしまいました。すると、型枠大工さんや鉄筋屋さんが人員を増やし、2時間以上残業してでも打設日に間に合うよう努力・協力をして下さいました。そして職人さんが帰った後、私一人で打設前の準備をしていると、既に帰ったと思っていた職人さんが「30分だけ手伝うよ」と言いながら戻ってきてくれて、最後まで手伝ってくれたのです。翌日には「間に合って良かったな」と笑いながら、その職人さんが先頭に立って打設してくれました。

 現場監督という仕事は、現場ではトップですが、一人では何一つできません。今、自分がこの仕事ができているのはたくさんの業種の方々のおかげです。そして、たくさんの方々のおかげで日々成長できています。

 各業種の方々の力があって建物が建てられていますので、そういった方々の力になれるような現場監督を目指していきたいです。

降旗達生(ハタコンサルタント代表取締役)選
協力=全国土木施工管理技士連合会
NPO法人建設経営者倶楽部KKC

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