九州地方整備局は熊本県を中心に続く地震で大規模斜面崩壊が発生し通行止めとなった南阿蘇村の国道57号阿蘇大橋地区の災害復旧事業として現道の北側に計画している「北側復旧ルート」の概略ルートを公表した。
斜面崩壊箇所を避け阿蘇市と大津町を結ぶルートで、主要構造物として長大トンネルを想定している。7月4日まで九州整備局のホームページなどで意見募集し、意見聴取後、早急にルートを提示する。
概略ルートは阿蘇市赤水の市街地北側から外輪山をトンネルで通過し、熊本中核工業団地などを迂回(うかい)した上で大津町引水につながる。安全性確保のため大規模斜面崩壊箇所や小規模斜面崩壊が発生したエリアを極力回避。早期の復旧に向け最短で国道57号の間をつなぎ、工期がかかるトンネルの延長ができるだけ短くなるよう設定した。
現段階では幅約1キロの範囲で示しており、意見募集の結果を踏まえ、より詳細なルートを絞り込む。ルート決定まで道路延長などは公表しないとしているが、概略ルートによると延長の4分の1程度をトンネルが占めることになりそうだ。
ルートが決まれば引き続き地元説明会を開催し、用地買収や地質調査、詳細設計などを進める。阿蘇大橋地区では4月16日の本震により幅約200メートル、長さ約700メートル、推定土砂量約50万立方メートルに及ぶ大規模斜面崩壊が発生。JR豊肥線や国道57号が被害を受け、国道325号阿蘇大橋が落橋した。
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