梅雨の時期から夏場にかけて注意したいのは熱中症だけではない。細菌を原因とする食中毒の発症が多い時期でもある。日ごろから用心するに越したことはない▼それにしても最近は〈除菌〉や〈抗菌〉を売りにした商品の多さに驚かされる。消費者のニーズは高く、日本人が日常生活でそれほどまでに菌を気にするようになったのはいつごろからだろう▼そんな中、自著で「除菌・殺菌に熱心にならないことが親の愛」と指摘するのは藤田紘一郎東京医科歯科大名誉教授。身の回りから細菌を排除するような生活環境がアレルギーを急増させていると警鐘を鳴らしてきた免疫学者である(『最新! 腸内細菌を味方につける30の方法』ワニブックスから)▼除菌や殺菌にどれほどこだわるかは人それぞれだが、何事も行き過ぎると不自由を強いられてしまう面もある。正しい知識を身に付けたいものだ▼藤田氏が健康のために推奨するのは「週2回はステーキ、週5回は魚料理を食事のメインにする」「亜麻仁油やエゴマ油をとる」など。氏の著書をうなずきながら読む自分も既に〈菌〉を気にする一人かもしれない。
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