東京都江東区の豊洲埠頭の一画(豊洲6の4の2)に、スポーツ練習場「新豊洲Brilliaランニングスタジアム」が10日、オープンした。
東京ガス用地開発の所有地に、太陽工業が建築主となって高機能フッ素樹脂膜材「ETFEフィルム」を大規模に採用した国内初の施設を建設した。東京建物がネーミングライツ(施設命名権)を取得し、事業に参画している。
9日に行われた開業式典の冒頭、施設の運営委員会を代表して東京ガス用地開発の丸山隆司社長は「豊洲地区に20ヘクタールの土地を所有し、環境に配慮しながら、にぎわいや潤いのある22世紀につながる街づくりを進めている。いろんな方々の知恵を頂いて完成したスタジアムを新豊洲の名所になるように運営していきたい」とあいさつした。
続いて、東京建物の柴山久雄代表取締役専務執行役員は「創業120周年の記念事業として参加できてうれしい。スポーツ施設としてのハード面だけでなく、地域のコミュニケーションの醸成などソフト面からも情報発信拠点となることを期待したい」とあいさつ。来賓の山崎孝明江東区長は「障害者も健常者も同じように付き合える場所として、心のバリアフリーで多くの人が元気になってほしい」と祝辞を述べた。
施設運営に当たり、スタジアムの館長を務める元プロ陸上選手の為末大氏(写真、右から二人目)は「陸上選手だけでなく、みんなが楽しめる空間を提供していきたい」と抱負を語った。
施設の敷地面積は4845平方メートル(うち建築面積1746平方メートル)。全長109メートルの施設内にはランニングトラック(60メートル×6レーン)のほか、義足調整室やシャワー室・更衣室などを配置した。
メインフレームには国産カラ松の湾曲集成材を使用。構造では屋根に木造、梁にS造、柱にRC造を併用して組み上げた。アーチ形状の屋根には、非常に軽くて薄い素材ながら、20年以上の高耐久性能を備えるETFEフィルムを二重に張った膜構造で、内部に空気を送り込んで膨らませるクッション形式を採用。複層ガラスと同等の断熱性と、2メートルスパンで梁を飛ばせる強度を確保した
建築設計は武松幸治+E・P・A環境変換装置建築研究所、構造設計はKAP、施工は中央建設と太陽工業が担当した。
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