2016年12月14日水曜日

【回転窓】師走のうれしい贈り物

毎年、この季節に待ちわびている贈り物が届いた。長野県に住む知人の奥さんが丹精込めて作った干し柿である。今年もその出来は見事であり、知人が便箋につづった短文もまたいい▼〈冬将軍が落ち葉と遊びながら、八ケ岳から滑り降りてくる頃になりました。さて、◯◯◯さんの芸術的作品が完成しました。皆さんで、数取り合戦スタート!〉▼冬の足音が聞こえ出す頃に干し柿づくりは始まる。渋柿をへたが残るように皮むきし、ひもでくくって日当たりと風通しの良いところに干す。いかにカビを生やさないようにするか、どう甘さを増すか。こう書くのは簡単だが、作った人にしか苦労は分からない▼ビタミンや食物繊維、カロチンなどが豊富に含まれ、健康食としての効能が高い干し柿。二日酔いにも効くというからこの時期にはうれしい日本の味だ▼何度も「今年は遊びに行くよ」と伝えつつも、なかなか機会をつくれないでいる。一つ目の干し柿を頬張りながら、便箋の裏にも何やら文字が書かれているのに気が付いた。〈柿食えば 心おどるよ 信濃路へ〉〈心よりお待ちしております〉。よし来年こそは-。

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