2016年12月15日木曜日

【回転窓】ふるさと納税の見返り

東京メトロ有楽町線の銀座一丁目駅構内に14日、「ふるさと納税であなたと地域をつなぐ自販機」が設置された▼都内にいながら各地域の名水を購入できる。自販機本体や飲料品に添付されたQRコードかICタグをスマホなどで読み取れば、飲料を提供する地域のふるさと納税情報を掲載するサイトにつながる仕組みだ▼都内では初、全国でも3例目。ふるさと納税への関心を高め、興味を持ちながら利用したことがない人たちを呼び込む。サイト運営会社は話題づくり、場所を提供する東京メトロは乗降客へのサービス多様化の一環と位置付ける▼自ら貢献したいと思う地域に寄付をするふるさと納税制度は08年度に始まった。寄付をした人は住民税などの控除が受けられる。最近では、わずかな自己負担で地方の特産品がもらえる特典などによって利用者が急増。自治体側も税収増をもくろみ、より魅力的な返礼品を用意する。その過熱ぶりには国も自粛を求めるほどだ▼見返りを求めた時点で、寄付という概念は崩れ去ろう。「最後は金目」ではせっかくの制度が泣く。好きな地域の発展を願う素直な心を大切にしたい。

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