2016年12月16日金曜日

【3Dモデルを数分で作成】三井住友建設、PC橋3Dモデル作成システム開発

国道45号夏井高架橋工事でのPC橋と地形情報の3D構成図
三井住友建設がプレストレストコンクリート(PC)の3次元(3D)モデルを高精度で簡易に作成できる「橋梁3次元モデル作図システム(SMC-modeler)」を開発した。線形情報などの座標データから3Dモデルを自動作成するシステムで、従来は週単位だった作成作業時間を分単位へ大幅に削減できる。

 PC橋は、縦断・横断勾配や曲線の道路線形に加え、幅員や部材厚が部位ごとに異なる断面形状を有し、複雑な構造になっている。このため3Dモデルを作成するには高度なCAD技術が必要になり、作成には2~3週間を要していた。

 SMC-modelerは、伊藤忠テクノソリューションズが開発した3D自動生成ソフトウエア「C-modeler」をカスタマイズしたシステム。設計段階で使用する線形と断面形状の座標データを用いて3Dモデルを自動作成でき、作成に要する時間は数分程度になる。

 座標データを基に作成するため、架橋位置をドローン(小型無人機)などで作成した地形に正確に重ね合わせることができ、現地の地形と構造物の整合を簡単に確認できる。主桁の補強に使うPC鋼材や配水管などの各部材を高精度で自動的に3D化できるため、施工計画の検討や部材間の干渉チェックを迅速、確実に行える。

 同システムは、岩手県久慈市で施工中の国道45号夏井高架橋工事(東北地方整備局発注)で適用中。今後は、橋梁の設計から施工管理、維持管理までの一連の流れで品質管理する同社のトータル建設マネジメントシステム「DCM」の中で積極的に活用し、橋梁建設の更なる効率化と品質向上を図る考えだ。

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