「最近、現場のトイレが和式から洋式に変わった。超うれしい」。技能労働者として働く30代の男性からそんな声を聞いた▼大規模な現場を除けば、汚い仮設トイレを使っていたり、そもそも現場内にはトイレが無く、近くの公園で用を足したりと、なかなか改善が進んでいなかったのも事実。あえて口にしたことはなかったが、汚いトイレがとても苦手だったそうだ。男性でさえこうだから、女性にとってはなおさら苦痛だろう▼そうした中、国土交通省が環境改善に本腰を入れている。男女どちらにとっても快適なトイレの標準仕様を策定。積算基準も整え、直轄土木工事を対象に10月に適用を始めた。地方自治体や民間発注の工事もあるので一挙に良くなるわけではないが、改善は着実に進んでいくはずだ▼快適なトイレへと切り替わっていけば、ある時点で「現場のトイレは汚い」という常識は反転する。労働人口が減少していく中、トイレの良しあしが、働く人を集められるかどうかのバロメーターの一つになるかもしれない▼「昔の現場のトイレは本当にひどかった」と笑い話になるような世界に早く行き着かねば。
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