熊本地震による建築物被害の原因を分析するため、国土交通省などがきょう、有識者委員会を立ち上げる。熊本地震では、観測史上初めて最大震度7の地震が同じ場所で2度も発生。求められる対応は当然変わってくる▼国交省は、委員会の分析を踏まえ、建築物の耐震性の確保・向上策を精査していくという。建築基準のあり方にも影響が及ぶのだろう。土木インフラも含めて対応は急務だ▼ただ、難しいのは、甚大な被害が局地的に起きているということ。同じ地域でも影響度合いには大きな差がある。すべてが壊滅的な状況に陥っているわけではない中で、震度7が何度も襲うような状況を前提に対策を講じることは、現実的には難しい▼どのような強靱(きょうじん)化が望ましいのか、その時代ごとに考えるほかない。多くの地域にとって災害は脅威であり、避けて通ることのできない課題であることは間違いない▼きょう開幕するG7伊勢志摩サミットでも、「質の高いインフラの整備」が重要課題の一つとなっている。目指すべき「質」とは何かを含め、防災先進国として発信の機会にしてもらいたい。
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