2016年5月11日水曜日

【回転窓】逆風を乗り越えて

バドミントン選手の小島一平さんが活躍したのは1960年代から70年代にかけて。いくつもの国際大会で華々しい戦績を残した名選手で、「学生時代はバドミントン部」といった読者ならご存じであろう▼当時は木製ラケットの時代。後にラケットなどの道具は目覚ましい進化を遂げるが、日本から世界を沸かす男子選手はなかなか出てこなかった。それだけに悔やみきれない。先月発覚した2人の実業団選手による違法賭博問題である▼世界ランキング2位だった一人の選手は日本バドミントン協会から無期限の競技会出場停止処分を受け、メダル候補と言われていたリオデジャネイロ五輪に出場できなくなった。21歳。あまりに重い代償を払ったことになる▼バトミントンに限らず、ここにきてスポーツ選手の不祥事が後を絶たない。魔が差した、認識が甘かったで許されることではなく、スポーツ界もコンプライアンスとガバナンスを徹底することが急がれる▼リオ五輪に出場するバドミントン日本代表選手が決まった。逆風を乗り越えての活躍を、かつて小島一平さんに憧れた世代の一人として期待したい。

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