2016年5月2日月曜日

【回転窓】対応力に磨きを

寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやってくる」と言ったが、「忘れる前にやってくる」と言い直した方がよさそうだ。東日本大震災から5年が経過し、東北の未来を見据えた「復興・創生期間」という新たなステージに入った矢先、熊本県を中心とする地震が発生した▼阪神大震災、新潟中越・中越沖地震、東日本大震災等々、すぐに思い出せる地震だけを挙げても、まだ過去の出来事というほどには記憶は薄れていない。地震以外にも豪雨と土砂災害など自然災害はしばしばこの国を襲う▼昨年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊したことなどを教訓に国土交通省は「水防災意識社会」の構築を宣言。従来型の堤防整備だけで水害からの安全を確保できぬなら、常に防災を意識した社会へと変革を図ろうとかじを切った▼災害が発生するたびに蓄積される経験は、今回もテックフォース(緊急災害対策派遣隊)やリエゾン(災害対策現地情報連絡員)、災害協定に基づく建設各社の迅速な活動に生かされている▼「忘れる前にやってくる」なら、蓄積する経験の中で対応力に磨きをかけていくしかなさそうだ。

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