九州地方整備局が鹿児島県さつま町で進めている鶴田ダム再開発事業で、増設した放流設備から初放流を行った。
現地で雨が降ったため、ダム湖の水位を一定の高さに維持する目的で、発電放流と併せて増設放流設備からも放流した。引き続き既設減勢工の改造工事などを進め、17年度中の事業完了を目指す。
増設放流設備は3月に完成、4月にダムの運用を開始した。今回の放流量は毎秒約100トンで、このうち増設放流設備からは毎秒約30トンを放流。放流は4月27日午後5時30分に開始し、翌28日午前6時50分に終えた。
鶴田ダムは堤高117・5メートル、堤頂長450メートルの重力式コンクリートダム。06年7月の川内川流域の豪雨災害を受け、洪水調節容量を従来の約1・3倍に当たる最大9800万立方メートルに引き上げるため、07年度に再開発事業に着手した。
再開発では既設の放流管より低い位置の堤体に穴を開け、右岸側に洪水調節のための増設放流管3本を新たに設置。左岸側の2本の発電用の管を付け替え、放流された水の通り道となる減勢工の増設や既設減勢工の改造などを行う。堤体削孔の水深、数、延長はいずれも国内のダム再開発事業では最大規模。総事業費は約711億円。主要工事の鶴田ダム施設改造工事は鹿島・西松建設JVが担当。
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