地震発生から1週間後の熊本。路面のひび割れや段差などでタクシーでの移動にも一苦労した。思うように目的地にたどり着けず、移動中に取材先を思案しながら被災地を駆け回った▼中心市街地では建物自体の被害は一見目立たず、外壁の剥落や路面損傷が一部に見られる程度。断層沿いの激震地と異なり、被害は限定的のように感じた▼一日の取材を終えて食事を取ろうと繁華街を歩くと、土曜のにぎわう時間帯ながら人影はまばら。多くの店が閉まり、作り置きの総菜などを店先で売る姿がちらほら見えた▼営業していた数少ない店に入ると、ライフラインは復旧途上でガスはカセットコンロで代用。食材の仕入れも滞っているためメニューを限定してやっと営業再開にこぎ着けたという。余震も続き、商売をするには厳しい環境だが、特産の馬肉を中心に満足な食事ができ、元気が出た▼街中の看板やチラシに書かれた「がまだせ(頑張れ)熊本」。取材先では、その言葉通りに人々ががまだす姿が見えた。被災地の復旧・復興はこれからが正念場。微力ながらも紙面を通じて現地の頑張りを支えていきたい。
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