2016年5月17日火曜日

【回転窓】租税回避は許さない

タックスヘイブン(租税回避地)の実態を示す「パナマ文書」に名前があった約21万社の情報が先週、公開された。リストの中には日本の企業なども含まれており、新聞紙面などを連日にぎわせている▼租税回避がどのような仕組みで行われているのか、記事を読んでも理解は難しい。ただ、タックスヘイブンは人口が少なく資源のない小国・地域で行われるケースが多いようだ▼スイスの銀行員がタックスヘイブンの秘密を暴露した『世界の権力者が寵愛した銀行』(エルヴェ・ファルチャーニ著、講談社刊)によると、こうした小国は「主権」を利用して金融機関や富裕層に有利な税制を定めることでお金を集め、国や地域としての生き残りを懸けている▼その結果、世界のマネーストック(通貨残高)の半分以上がオフショアを経由し、全世界の銀行の預金総額の5分の1をタックスヘイブンが保有。グローバル経済の隠された中心になっていると指摘している▼税金の使い道には国民の目が一段と厳しくなっている。一方、徴収はどうか。グローバル経済が進む中で抜け道があるとすれば早急な対処が必要だ。

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