2017年9月21日木曜日

【回転窓】ボランティアの存在感

災害の被災地ではさまざまな形で支援の輪が広がる。国や自治体などの公的機関が行う「公助」。混乱した初動期に自衛隊や消防が最前線で被災者を救助する役割も大きい▼一方、自らの意思で現地に入り、支援の手を差しのべるボランティア。これも被災地の復旧・復興を後押しする存在として欠かせない。公助にも限界がある中、現場の細かなニーズをくみ取るボランティアの重要性は一段と高まりつつある▼政府開発援助(ODA)の一環で、途上国を中心にボランティア事業を行う国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊。相手側のニーズによって隊員の役割も千差万別。経済発展が著しいタイでは、より高いスキルを持つボランティアの要請が強まっているという▼隊員の佐野かおりさんは、特別支援学校での勤務経験を生かし、ろう学校で聴覚障害児の教育支援や教材制作、各種行事の企画運営に携わる。教員拡充の提案が採用されるなど現地関係者からの信頼も厚いようだ▼ボランティアを難しく考えず、まず一歩、行動に移す。地域に根付いた継続的支援が国際社会で日本の存在感を高めることにつながる。

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