2017年9月12日火曜日

【記者手帳】木材活用に熱気

公共建築物(民間事業者が建設する教育、医療・福祉施設を含む)の木造化へ向けた機運が高まってきた◆ある県で公共施設の木造化推進を目的とする協議会の総会を取材したところ、終了予定時間を1時間ほど超過しても参加者の報告や議論が続き、熱気の高まりをひしひしと感じられた。建築関連の法改正や技術の進展、自治体職員や設計事務所を対象としたセミナーや見学会開催などが効果を上げているようだ◆酒田大火など地方都市での火災災害が相次いだことから、戦後の日本の大学の建築教育では「木造建築」は一部の大学を除き「建築史」の中で取り上げられる程度のところが多かった。自治体のインハウス技術職員も木造建築の知識が不十分な人も少なくなく、公共施設の木造化がなかなか進まない要因の一つにもなっていたという◆輸入材に押されていた木材の自給率も5年連続で上昇。15年度は33.3%とほぼ3分の1に達した。地球温暖化対策や地域経済の振興の観点から自治体の意欲も高い。地味な動きだが、木材活用は着実に進みそうだ。(巳)

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