2017年9月29日金曜日

【回転窓】内側から見た記者クラブ

手元の辞書で「記者クラブ」を引いてみると、〈国会・官庁などで取材活動する各社の記者が親睦のため、また共同会見などの取材に便利なように組織した団体〉とある。明治期に始まったというそれは、日本独特の組織とされる▼記者クラブに対しては、取材の便宜を特権的に受けているのではないかと、非加盟の海外メディアやフリーランスの記者から批判が出ることが少なくない。確かに関係者以外の入室が制限されるなどの閉鎖的空間は、外部の人には排他的と映ってしまうことも否定できない▼国土交通省を中心に取材する記者が加盟する記者クラブに建設省時代から断続的に10年ほど在籍し、本紙読者の関心が高い国土交通政策を同僚記者と共に取材してきた。最近の働き方改革を巡る記事の多くも記者クラブで書かれている▼所属記者は、取材先との信頼関係を築く努力を重ね、他紙よりも良い記事をより速くと競争している。決して特権的に取材の便宜を受けるだけの組織ではないことを読者の皆さんにも知っていただきたい▼記者クラブを去るに当たり、あえて舞台裏を書いた次第。後に続く記者のためにも。
 記者クラブを辞書で調べてみると、「国会・官庁などで取材活動する各社の記者が親睦のため、また共同会見などの取材に便利なように組織した団体」とある。明治期に始まったというそれは、日本独特の組織とされる▼この記者クラブに対し、取材の便宜を特権的に受けているのではないかと、海外メディアやフリーランスの方々から批判されることも少なくない。確かに関係者以外の入室が制限される閉鎖的な空間であり、外から見れば排他的と見えるだろうことも否定できない▼私事で恐縮だが、本紙読者にとって関心事の一つであろう、国土交通省を中心に取材する記者クラブに何人かの同僚記者と共に在籍している。建設省時代から断続的に合計10年ほどを過ごしてきただろうか▼時々の業界に関連深い事項を取材してきた。今の「働き方改革」を巡る記事の多くも記者クラブで書かれている。所属記者は取材過程で信頼関係を積み上げるなどの努力を重ねている。決して、特権的に取材の便宜を受けるだけの組織でないことを、長く在籍した記者クラブを去るにあたり、読者の皆様にも知っていただきたい。後に続く記者のためにも。

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