2017年9月5日火曜日

【記者手帖】新しい納骨堂を見学して

お盆は毎年、父方の祖父母のお墓参りで千葉県東部にある寺を訪れる。道中は道の駅に寄るなどして、家族で小旅行のような趣を楽しむのが定番だ。だが両親の老いを感じる最近は、自分が墓守になったら、毎年遠方まで墓参できるのだろうかと不安になる◆先日、東京・信濃町にある寺の一行院で完成した自動搬送式の納骨堂「千日谷浄苑」の内覧会に行った。基本デザインを建築家の隈研吾氏が担当。伝統とモダンが融合した建物は、お墓とは思えぬほどぬくもりのある明るい空間だった◆人々の暮らしや働く空間などを創造するだけでなく、建築界が「供養」の空間づくりでもしっかり役割を果たしていることが実感できた。昨今、遠方の墓を撤去・移転する「墓じまい」が増えており、その移転先として、千日谷浄苑のような都心の納骨堂を選択するケースは多いという◆納骨堂内部を見学しながら思い付いた。我が家も実家の近くに墓を移したらいいのではないか。両親には「気が早い」と怒られそうだが、両親が元気な今だからこそ、将来について相談してみようと思う。(沖)

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