2017年9月14日木曜日

【年間100人以上の新規採用確保めざす】潜水協会、潜水士の後継者育成・技術伝承で行動計画

 日本潜水協会(鉄芳松会長)は、潜水士の後継者育成と技術伝承に関する基本方針とアクションプログラムを策定した。

 同協会のホームページで公表する。今後10年間の目標として、潜水士の数を現状のまま維持するために新規採用を年間100人以上確保することや、作業能力と生産性を高めて潜水士1人当たりの売上高を2割向上させることを打ち出した。

 同協会は、人材を確保するために潜水士養成教育機関との連携を一層強化するとともに、ICT(情報通信技術)など新技術の導入による生産性向上にも傾注していく。

 潜水士は、厳しい労働環境や少子高齢化の影響で担い手不足が懸念されている同協会は、海洋国家として継続的に潜水技術を維持していくには潜水士の確保が急務と判断。16年12月に「潜水士後継者育成・技術伝承検討委員会」(委員長・池田龍彦放送大学副学長)を設置し、担い手育成と技術伝承について、業界全体の統一的な基本方針と具体的な活動施策を議論してきた。

 基本方針とアクションプログラムは12日の理事会で承認された。港湾整備やサルベージ、船舶などの事業に従事している国内の潜水士は3300人程度とした上で、この数を維持していくためには、おおむね3%の新規参入者を確保する必要があるとし、年間で100人程度の潜水士を新規に確保する目標を掲げた。現在の潜水士の1人当たり売上高は2000万円程度で、これを2割増の2500万円以上に引き上げることも目標に据えた。

 後継者・担い手の確保・育成では、信頼性の向上を念頭に、人材募集を行う個々の潜水業者に懇切かつ丁寧な対応を徹底させる。教育機関などとの連携を深め、地元との良好な関係を構築して地域での潜水士の地位向上に可能な限り協力していく。

 潜水作業能力・技術レベルの維持・向上に関しては、研修・教育活動の充実に取り組むとともに、情報化による労働力の流動化を促進。潜水士の最適な配置を実現し、全国レベルでの生産性の向上を図る。

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