建築家の安藤忠雄氏(東京大名誉教授、安藤忠雄建築研究所)の過去最大規模となる展覧会「安藤忠雄 挑戦」が27日から東京・六本木の国立新美術館で開かれる。半世紀に及び挑戦し続けてきた「安藤建築」の全貌を紹介する。
目玉は「光の教会」(大阪府茨木市)の実物大展示。合わせて6月にフランス・パリで「安藤氏が設計を担当する」と記者発表した新美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」を模型で詳細に展示する。安藤氏は「今までの建築を通して、これから未来へ向け何をしたいか、それを考える展覧会にしたい。それが『挑戦』だ」と話す。来館者15万人が目標という。
「安藤建築」の原点は住宅。中でも「住吉の長屋」(大阪市住吉区)は「世界のANDO」へと評価を高めた。そこから今日まで海外を含め100点を超える住宅作品を展示する。環境建築は「直島」(香川県直島町)が原点だ。
30年に及ぶ一連のプロジェクトを空間イスタレーションで展示。歴史的建造物の再生では世界を驚かせたイタリア・ベニスの美術館「プンタ・デラ・ドガーナ」、それに続く最新のパリの「ブルス・ドゥ・コメルス」の詳細を展示する。展示物の8割以上が国内初出展だ。
最大の目玉は「光の教会」の原寸大を野外展示場に再現することだ。安藤氏は「建築の楽しさや面白さは、その建築の中に入って体験すること。手触りや堅さを直接触れること。そのために野外展示場に、実物と同じコンクリートでつくる。建築の持つ魅力を肌で感じてほしい」と話す。
展示会場のデザインも安藤氏が手掛ける。期間中はギャラリートークが20回ほど予定されている。「世界のANDO」から直接話を聞くことができる。
「安藤忠雄 挑戦」の会期は9月27日~12月18日。開館時間は10:00~18:00(毎週火曜日が休館、金・土曜日は20:00まで)。
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