東北地方整備局が発注し岩手県釜石市で14年9月から進められていた「国道45号吉浜釜石道路工事」が完成を迎えたのを機に、施工を担当した大林組・富士ピー・エスJVが5日、唐丹小学校の全校児童を招いて現場見学会を開いた。
現場見学会は3年間に及ぶ工事期間中の地元の理解と協力への感謝の気持ちを込めて開催。児童43人が真新しい荒川トンネルの内部を見学したり、唐丹第1高架橋の上から唐丹湾や町並みを眺めたりした。
舗装前の唐丹第2高架橋では路面にチョークで絵を描いて楽しんだ。大林JVはこれまでも工事の節目の現場見学会や、現場近くの片岸川で春に行われるサケの稚魚放流会などを通じて同小と交流を深めてきた。全校児童を一度に招いたのは今回が初めて。
同工事はトンネル3カ所と高架橋2カ所を同時に施工する大ロット工事。同市唐丹町上荒川から大曽根にかけて、▽唐丹第1高架橋(延長307メートル)▽荒川トンネル(1169メートル)▽唐丹第2高架橋(352メートル)▽唐丹第1トンネル(465メートル)▽唐丹第2トンネル(521メートル)(いずれも仮称)-を主要構造物として整備した。
三陸沿岸道路を構成する吉浜釜石道路は吉浜インターチェンジから釜石ジャンクションに至る延長14キロの自動車専用道路。18年度の開通を予定している。
大林JVの松野徹所長は「起工から完成までの3年間、騒音やトラックの行き交いなどで迷惑をかけたが、逆に多くの応援の声をもらい感謝している。工事完成を共に喜んでもらえたらうれしい」と語った。引率の一條直人校長は「子どもたちは遠くから工事の様子を見ていたが、実際に工事現場に来ることで理解がさらに深まったと思う。貴重な機会を設けていただき、ありがたく感じる」と話した。9日には地域住民向けに見学会を開く予定だ。
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