2016年6月2日木曜日

【回転窓】梅の季節は災害への備えも

6月に入り、日本列島は本格的に雨の季節を迎える。既に梅雨入りしている沖縄や鹿児島・奄美地方に続き、前線の北上によって、雨空の続く日々が多くの地域に広がることになる▼梅雨の字が示すように、この時期は膨らんだ梅の実の収穫期と重なる。花を咲かせる早春に続いて梅を楽しめる季節でもある。梅が特産の神奈川県小田原市でもこの時期、あちこちで「梅狩り」に精を出す人の姿が見られ、スーパーなどの店先には梅干しや梅酒などを漬ける専用のビンがずらりと並ぶ▼昔から「医者いらず」と言われるほど梅は体に良いとされる。クエン酸などの有機酸をはじめミネラルやビタミンなども豊富。疲労回復や老化防止、抗酸化作用による健康増進などの効果が期待できるという▼日本の食文化に欠かせない梅は保存食としても重宝されてきた。塩だけで漬け込み、天日干しした昔ながらの梅干しは、常温で長期保存が利くため災害時の非常食にも▼梅雨入り宣言は出水期に入ったことを知らせる注意報でもある。防災対応への気を緩めず、平時からの事前の準備が非常時の安全・安心の確保につながる。

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