2016年10月4日火曜日

【技能研修の中核的役割に期待】石井啓一国交相、富士訓練センターを視察

 石井啓一国土交通相が1日、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターで若者が技術・技能の訓練を受ける様子を視察した。

 視察後の記者会見では、建設技能者の高齢化が進んでいることや、若者がなかなか建設業に入ってこない現状を踏まえ、担い手確保・育成での研修施設の重要性を指摘。新増設工事が進行中の同センターが「全国の中核的センターとしてしっかりと役割を果たしていけるよう、国交省も引き続き支援していきたい」と述べた。

 現職大臣によるセンター視察は2人目で、13年7月の太田昭宏前国交相による視察以来、約3年ぶり。石井国交相は「センターがどう運営され、研修生がどういった姿勢で学んでいるかを確認することができた」と話した。

 視察には、国交省の谷脇暁土地・建設産業局長、木村実建設市場整備課長、内田俊一建設業振興基金理事長、センターを運営する全国建設産業教育訓練協会の才賀清二郎会長(建設産業専門団体連合会会長)、菅井文明専務理事らが同行した。実際の建物の外構施設づくりに取り組んでいる「土木総合実習」と左官の施工方法を学ぶ「焼き石こう実習」の二つの研修の様子を視察。菅井専務や実習を担当する講師から訓練内容を聞きながら、見て回った。

 その後、27人の研修生を激励した石井国交相は、「建設業は国民に欠かせない重要な産業だ。皆さんが安心して働き続けられるよう、給料を上げ、休暇も取りやすくし、社会保険の加入促進に取り組んでいく」と強調。加えて情報通信技術(ICT)を活用して仕事の能率・効率を高める取り組みにも意欲を示した。研修生の代表が「誠心誠意取り組み、それぞれの会社で頑張っていく」と今回の視察への謝意を述べた。

 会見で石井国交相は、「ものづくりは人づくりから」とするセンターのキャッチフレーズに触れ、「建設業が将来にわたって社会的な使命を果たせるよう、中核的人材を育てていかなければならない」との思いを強く持ったことを明らかにした。

 センターでは現在、宿泊棟・共用棟の建て替え工事が進行中で、完成後に本館・教室棟の建て替えにも入る計画だ。


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