2016年12月1日木曜日

【4者協議の結果を受けて…】五輪競技施設、海の森競技場で工事再開

 2020年東京五輪の競技施設見直しに関する東京都、国際オリンピック委員会(IOC)など大会関係者4者の協議が11月29日までに終了したことを受け、都は、建設継続が決まったボート・カヌー(スプリント)会場の「海の森水上競技場」(東京臨海部)、水泳会場の「オリンピックアクアティクスセンター」(江東区辰巳)の工事を本格的に推進する。水泳会場は建屋の階数を減らすことで、コストを縮減する方向だ。

 海の森は、東京港の埋め立て地の間を流れる水路に建設されるボート・カヌー競技用のコース。都は、中断していた本体工事の再開を同29日中に実施設計・施工者(大成建設・東洋建設・水ing・日立造船JV)へ通知した。

海の森水上競技場の完成イメージ
(16年5月時点、東京都提供)
 実施設計がほぼ完了している締め切り堤の工事をまずは再開する。都オリンピック・パラリンピック準備局によると、「全体の整備費は298億円(当初計画では491億円)を上限にしつつ、さらなるコスト縮減を目指し、残りの実施設計を進める」という。予定工期は当初計画通り19年3月28日まで。
アクアティクスセンターの完成イメージ
(15年10月時点、東京都提供)
 都立辰巳の森公園の敷地の一部に造るアクアティクスセンターは、当初計画上の規模がS一部SRC・RC造地下1階地上5階建て延べ7万7000平方メートル。4者協議では観客席数を当初予定の2万席から1・5万席まで減らすことが決定した。

 4者協議の間も整地などの準備工事は中断していなかった。17年3月末に本体工事に移る見通しで、基礎、プール、建屋の順に施工を進める。同局は4、5階部分の建設を取りやめて観客席数を減らす方向だ。整備費は514億円(同683億円)を上限とする。実施設計・施工者は大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業JV。予定工期は19年12月20日まで。

 両施設とも設計変更に伴う追加費用を加えても、新たな整備費の上限を超えないようにする。

 4者協議で見直しの対象になった競技施設にはバレーボール(インドア)会場もあったが、4者協議では結論が出なかった。都は計画中の「有明アリーナ」(江東区有明)を会場にするか、既存の「横浜アリーナ」(横浜市港北区)を活用するかどうかを引き続き検討し、12月中に結論を出す。

有明アリーナの完成イメージ
(15年10月時点、東京都提供)
 有明アリーナの当初の工程では12月下旬に準備工事に入り、17年3月末に本体工事を開始する見通しだった。建設継続が決まった場合、整備費の上限は340億円(同404億円)とする。予定工期は19年12月9日。実施設計・施工者は竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JV。

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