2016年12月1日木曜日

【回転窓】技能と技術の調和を

戦後、豊かさや憧れの象徴とされた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫。「三種の神器」と呼ばれて庶民が生活水準を高める際の一つの目標となった。1960年代半ばの高度経済成長期に入ると、消費者の目はカラーテレビ、クーラー、カー(自家用車)の「3C」に移った▼世界有数の経済大国となり、技術の進歩によって高機能・高性能なモノが世の中にあふれかえっている。最近はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの次世代技術をビジネスや暮らしに役立てようと、国や企業が研究開発に力を入れる▼生産年齢人口の減少への対策として、AIを組み込んだロボットや、IoTでつながった管理システムを活用し、人にかかる負担や作業量を軽減しようとする取り組みが目立つ。ロボットなど機械に任せられない業務を人が受け持つことで、生産性を高める狙いだ▼しかし人は不完全な生き物で、時に過ちを犯す。エラーを排除し、より重要な業務だからこそ人には任せないという考え方もある▼何ごとも過信は禁物。人が持つ技能と、最先端のテクノロジーが絶妙に調和した社会の到来を期待したい。

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