2017年5月29日月曜日

【五輪関連施設は19年秋完成へ】馬事公苑改修(東京都世田谷区)、インドアアリーナや厩舎など新設

再整備完了後の馬事公苑のイメージ
(ⓒ 日本中央競馬会)
 2020年の東京五輪・パラリンピックで馬術競技が開かれる馬事公苑(東京都世田谷区)の改修計画が明らかになった。日本中央競馬会(JRA)は五輪開催に合わせて老朽化した施設を更新。国際基準に適合した馬術競技会場にすると同時に、馬事振興の拠点として優れた指導者や技術者の育成、馬との触れ合いなどを可能にする施設にする。

 改修計画では敷地内の北エリアに事務所や物販店、飲食店が入るメインオフィス(S造3階建て延べ約6740㎡)や管理センター(S造3階建て延べ約6060㎡)、審判棟(S造2階建て延べ360㎡)、二つの厩舎(RC・S造平屋延べ約1190㎡と同約1670㎡)を整備。S・RC造3階建て延べ約8670㎡のインドアリーナも新設する。南エリアには事務・JRA職員寮(S造3階建て延べ約1560㎡)と厩舎(RC・S造2階建て延べ約1800㎡)を整備する。

 馬事公苑(東京都世田谷区上用賀1の1ほか、2の1の1ほか)の敷地面積は約19万1000㎡。改修後の総延べ床面積は約4万1380㎡(改修前:約3万5320㎡)。前回1964(昭和39)年の東京五輪で馬場馬術競技の会場として使用されている。
20年には五輪で馬場馬術と総合馬術、障害馬術、パラリンピックでは馬術が行われる。

 改修計画では、施設整備以外に苑内のはらっぱ広場やナチュラルアリーナ、サクラドレッサージュなどの既存樹木を可能な限り残す。正門付近や放牧場、はらっぱ広場などにある大径木も保存する。五輪開催以外にも地域に開かれた「緑の憩いの場」として、地域住民により親しまれる施設にする。

 東京五輪前の準備工事、解体工事、第1期工事は17年1月に着工。19年秋までの34カ月間で工事を完了する。第2工事を含めた全体完成は22年11月を予定。設計・施工は大成建設と山下設計の連合体が担当している。再整備に当たり、JRAは15年12月にDB(設計・施工一括)方式で「馬事公苑整備工事」の入札を実施。大成建設らが293・9億円で落札し、16年1月から設計に入っていた。

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