阪急電鉄と阪急阪神ホテルズは、老朽化している宝塚ホテル(兵庫県宝塚市梅野町)の移転・新築計画をまとめた。
宝塚大劇場の西側隣接地(栄町1丁目)に約200室の新ホテルを建設する計画で、設計を日建設計が担当。今後、施工者を決定し、9月から敷地整備工事、18年春からホテル新築工事を進める。開業は20年春を予定している。
1926年に開業した現ホテル(129室)は、建築家の古塚正治氏が設計を手掛け、当時は先進的な洋館ホテルとして注目を集めた。その後、ホテル機能の充実、規模の拡大を図りながら90年以上にわたって営業を続けてきたが、躯体や基幹設備の老朽化が著しく、現行法上の耐震基準も満たしていないため、建て替えることになった。
計画地は、一般客が利用する宝塚大劇場の西駐車場(敷地面積約1万2300平方メートル)。施設規模はRC一部S造地下1階地上5階建て延べ約2万3000平方メートルを想定し、阪神間モダニズムと称される現ホテルのデザインを継承する。切妻屋根の壁面などに描かれている植物モチーフのレリーフをはじめ、ドーマ窓や半円形屋根、アーチ天井を持つ回廊・階段の手すりに施された装飾などを復元する予定だ。
1、2階が宴会場や料飲施設、3~5階が200室程度の客室となる。宝塚歌劇の観劇やビジネスユースなど、幅広いニーズに対応したルームタイプを備える。宴会場は、宝塚大劇場のオフィシャルホテルとして、宝塚歌劇のディナーショーを開催できる大宴会場と、地域のコミュニティホテルとして利用可能な中・小宴会場の計4室を設置。料飲施設はカフェレストラン&バイキングのほか、日本料理や鉄板焼、ラウンジの計4施設が入る。
ホテル建設に先立ち、西駐車場の代替となる立体駐車場を北側敷地に建設中で、9月14日の移転後、敷地整備工事に着手する。現ホテルは新ホテル開業まで営業を続ける。
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