未就業者に無料で職業訓練と資格取得の機会を提供し、就職支援までをセットで行う厚生労働省の「建設労働者緊急育成支援事業」。建設業振興基金が受託している同事業が3年目に入った▼全国各地の業界団体などと連携し、地域の特性を生かしながら、訓練に参加する人材を集めて事業が展開されている。事業は5年計画。トータルで5000人が訓練を受けることを目標にしている▼参加する人材は年齢も経歴もまちまち。建設業に対する思いも各人各様だが、建設現場で必須の訓練や資格取得を自ら行えば相応の費用がかかるところを無料で参加できる。そこに大きな魅力を感じて参加する人たちが多いようだ▼企業にとっても、建設について何も知らないままより一定の訓練を受けてくる人材は魅力。入職後の教育にかかる時間やコストを抑え、即戦力として働いてもらうことができるからだ▼業界や企業が主導する将来の担い手の確保・育成。これを国が支援する事業も折り返し点に差し掛かっている。終了後も、訓練から就職支援という一連の流れを定着させることができるか。国費を投じた壮大な実験でもある。
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