神宮外苑地区再開発事業の完成イメージ(7月の港区議会資料から) |
東京・新宿区が28日に開いた景観まちづくり審議会(会長・後藤春彦早稲田大学教授)で、新宿と港の2区にまたがる「(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業」の検討状況が報告された。日本スポーツ振興センター(JSC)が計画するラグビー場棟の高さ(約55メートル)に対し、出席した委員から周辺施設との調和を不安視する意見が出た。委員らは今後のデザイン調整で十分な協議を行うよう求めた。
神宮外苑地区の再開発はJSCと三井不動産、明治神宮、伊藤忠商事の4者による個人施行の再開発事業。JSCは明治神宮第二球場(新宿区霞ケ丘町3の2)の解体跡地に、新秩父宮ラグビー場を含めたラグビー場棟の整備を計画している。
審議会では、再開発事業のコンサルタントを担う日建設計の担当者が全体の計画概要を説明した。ラグビー場棟が隣接する国立競技場(約47メートル)よりも高いことに対し、委員から「スケールが大きい」「高さ20メートル程度のイチョウ並木など周辺環境と調和が難しくなる」といった意見が出た。「ラグビー場の高さを47メートル以内に抑えればなだらかな景観を生み出せる」との提案もあった。
委員らはラグビー場の四角張ったデザインが、曲線的な国立競技場の造形と調和しないことも懸念。整備にBT(建設・移管)+コンセッション(公共施設等運営権)方式のPFIを採用する方針に対し、最終的な設計が不透明になることも危惧した。
日建設計の担当者は「デザイン調整の体制などを検討していく」と応じ、PFIの公募手続きに当たっての景観協議で協力を求めた。JSCはPFI事業者を選定する一般競争入札(WTO対象)を2022年1月に公告する予定だ。
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