2021年10月21日木曜日

【回転窓】サブカルと郷土愛

 漫画やアニメ、ゲームなど、日本が世界に誇るサブカルチャー。今夏開かれた東京五輪のセレモニーでも、さまざまなコンテンツが盛り込まれた。評価は人それぞれだが、注目を集めたのは間違いない▼サブカルを活用した街づくりは各地で広がる。神奈川県小田原市では7月、地元出身のアニメ原作者・監督で「機動戦士ガンダム」の生みの親である富野由悠季氏がふるさと大使に就任。幅広い世代にファンを持つガンダムを新たな観光資源とし、誘客や知名度向上につなげる狙い▼関連事業も矢継ぎ早に打ち出される。バンダイナムコグループが展開する「ガンダムマンホールプロジェクト」の初弾として、「ガンダムと小田原城」「シャア専用ズゴックと小田原漁港」が描かれたマンホールふたを市内に設置。22日からマンホールカードも配布するという▼世間的には「小田原嫌い」を長年掲げてきた富野氏。コンプレックスを抱きつつ生まれ育った地元と距離を取ってきたのも郷土愛の裏返しか▼有形、無形を問わず地域とのつながりが多様な価値を生み出す。伝統的、歴史的なメインカルチャーとの融和に期待したい。

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