2021年10月22日金曜日

【現存車両は1台だけ】文化審、国鉄バス第1号車の重文指定を答申

 JR東海のリニア・鉄道館(名古屋市港区)に展示されている「国鉄バス第1号車」が、15日付の文化審議会(文化審、文部科学相の諮問機関、佐藤信会長)の答申を受け、重要文化財(美術工芸品)に指定されることになった。

 鉄道省の省営バス岡多線(愛知県岡崎市~岐阜県多治見市など)の開業時(1930年12月)に使用された旅客用車両7台のうち現存する唯一の車両。交通史上、産業技術史上の価値が高く評価された。

 1930年に機械メーカーの東京瓦斯電気工業(いすゞ自動車、日野自動車などの前身)が製造したボンネットバス。全長約7mの大型の乗合自動車として官民共同で製造に取り組んだ。保守点検などさまざまな制度や仕組みも整えた。乗合自動車業の発展や乗用自動車の国産化で多大な貢献を果たし、先駆性や規範性が高いと評された。

 37年4月まで活躍し走行距離は約25万kmに達した。翌年から東京都千代田区にあった旧鉄道博物館(交通博物館)で展示され、2007年にさいたま市大宮区の鉄道博物館、11年にリニア・鉄道館へ移された。

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