2021年10月5日火曜日

【設計・施工は清水建設】千葉JPFドーム(千葉市中央区)の供用開始、国内初の250m木製バンク

 公営競技の運営などを手掛けるJPF(東京都千代田区、渡辺俊太郎社長)が千葉市中央区の千葉公園内に建設していた「千葉JPFドーム」が完成し、2日に国内初となる250競輪が始まった。

 初開催に合わせてオープニング式典が同日開かれ、渡辺社長や神谷俊一千葉市長、運営を担うPIST6の鈴木千樹社長らが出席した。千葉JPFドームは、国際基準の周長250メートルの木製トラックを備える新たな形の競輪場。設計・施工は清水建設が担当した。

 千葉JPFドームの建設地は千葉競輪場跡地の中央区弁天4の1の1。民設民営方式で、JPFが施設を整備、維持管理する。規模はS一部RC造地下1階地上4階建て延べ1万4300平方メートル。約2000席の観客席を備える。

 トラックを覆う特徴的な大屋根は大きさが116メートル×93メートルあり、重さは約1000トン。無柱空間としては県内最大となる。大空間を支えるため清水建設が独自の屋根構造形式「リングシェル」を開発。単層の鉄骨トラスの骨組みと外周部から中央下部の鋼製リングを緊張するケーブル72本により膨らみを抑えた楕円(だえん)形の屋根を実現した。


 250メートルの木製トラックはフィンランド製の単板積層材(LVL)で構成。最大バンク角は45度。自転車トラック競技の世界選手権に対応可能な施設としては伊豆ベロドローム(静岡県伊豆市)に続き国内2カ所目となる。バンク設計は世界的な自転車競技場設計者であるピーター・ジュネック氏が務めた。

 初開催に当たって記者会見した神谷市長は「市内外の多くの人に楽しんでもらえる施設になってほしい」と期待を語った上で「千葉公園リニューアルのリーディングプロジェクトとしても期待している」と述べ、千葉公園全体の再整備にも力を入れる考えを示した。JPFの渡辺社長は「この施設を世界の自転車トラック競技のメッカとして世界のトップ選手が集まる場にしていきたい」と語った。

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