2021年10月22日金曜日

【回転窓】AIによる選別

  動画配信サイトに飼い猫を中心に投稿している人気ユーチューバーのチャンネルが一時配信停止となり話題になっていた。差別的なコメントや嫌がらせ行為などは禁止されており、抵触すると配信ができなくなる▼人工知能(AI)による判定で、動画の一部が禁止事項に該当すると誤認識された可能性があるとの見方も。停止のままでは収益が得られない。異議を申し立て懸念される動画を削除し復帰が認められた▼ヤフーがニュースサイトのコメント欄の誹謗(ひぼう)中傷対策を強化した。AIを活用した違反コメントチェックも導入済み。表現の自由は大事だが、ヘイトスピーチのような行為は許されない▼膨大なやりとりの監視には機械的なふるい分けが有効だろう。だがAIをだますデータを作ることも可能と言われる。特定の相手をおとしめるために工作し、言論を封殺するような事態も想定すべきだということか▼言葉や行為の可否の線引きは受け手の感情や社会背景でも変わる。一人一人の判断軸が問われるのはリアルもデジタルも同じ。誰かを傷つけていないかと想像する意識が、いつの時代も大事だろう。

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