◇知識深めて頼られる存在に◇
建設資材の加工工場で働く女性は全社員でたった一人。前職は家電量販店の販売員としてフロアに立ち接客していた。「スキルが生かせる仕事をしたい」と一念発起。事務一辺倒の仕事ではなく、さまざまな職種と関われる現在の会社に魅力を感じ、迷わず転職を決めた。
現場では気の緩みが重大な事故につながりかねない。入社当初に指導を受けた先輩社員の「緊張で疲れるといろいろなことを見落とす。肩の力を抜くことも必要だ」というアドバイスを、ずっと心に留めている。それでもメリハリをつけ、肩の力を抜いて仕事に臨むのはなかなか難しい。
工場を動き回りながら検品や在庫管理に携わる。工事で使う土留めや鋼矢板などリース品の数量や、どんな現場で使われるかという情報の把握が大切になる。「情報は自社工場に乗り入れるドライバーや協力会社との会話」から手に入れるのがこつと明かす。
物おじしない性格は日々のコミュニケーションに役立っている。顧客に修理費などを請求する業務の大元も任されるようになり、「やりがいを感じている」とほほ笑む。
入社から2年。「会社からの期待を感じながら働くことを楽しみたい」とポジティブに仕事と向き合っている。「知識を深めて頼られる存在になる」のが当面の目標で、「初の女性工場長を目指したい」という思いを胸に秘めている。
(こうもと・きみ)
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