JR東日本が昨年8月に公表した羽田空港アクセス線のルート |
国土交通省は1日、本年度末に作る2030年ころまでの次期東京圏都市鉄道整備計画で、2020年東京五輪までの開業を検討していたJR東日本などによる羽田空港へのアクセス新線計画2件を先送りすることを決めた。過去の実績から平均で15年程度かかる都市鉄道新線の開業は急いでも間に合わないと判断した。2件の開業先送りは同日に開かれた交通政策審議会(国交相の諮問機関)小委員会に報告した。
五輪以降に開業を先送りするのは、JR東日本が東京、新宿、新木場の都心3駅と羽田空港を直結させる「羽田空港アクセス線構想」と、地元の大田区が強く要望している京浜急行電鉄蒲田駅と東京急行電鉄蒲田駅を結ぶ「新空港線(通称・蒲蒲線)」。うち蒲蒲線が開業すれば、東京の西部からの羽田空港へのアクセスの利便性が格段に高まる新路線として期待されている。
国交省は、次期計画の検討に着手した昨年5月の段階では、訪日外国人旅行者の増加が見込まれる東京五輪をにらみ、羽田、成田両空港へのアクセス鉄道を優先的に整備する路線として位置付ける方針を固めていた。ただ、JR東日本などからの聞き取り調査を踏まえ、環境影響評価など事業手続き(平均2~3年)や工事(7~10年)に相当な時間がかかると判断。五輪後への開業先送りを決めた。
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