2015年7月2日木曜日

【回転窓】オワハラと若者の離職

 職場などでのパワハラやセクハラはよく知られるが、最近は就職活動中の学生に内定を出した企業が就活終了を強要する「オワハラ」なる言葉が聞かれる▼最近の売り手市場の就職戦線では、より良い会社に入ろうとする学生側と、人材不足の中で他社に先んじて社員を確保したいと考える企業側の思いにギャップが生じる。オワハラで不信感が募り、しこりを残したまま入社したら職場になじめるだろうか▼厚生労働、文部科学両省の調査によると、今年3月に大学を卒業した人の就職率は全体で96・7%(前年同期比2・3ポイント上昇)。一方で、大卒で入社した人のうち、3年以内に離職する人の割合も3割を超える。若者の会社への定着率の低下が目立つのも昨今の状況だ▼石の上にも三年という。何か一つのことを成し遂げるためには、苦労があってもまず続けることが大事だと思うが、企業側の採用意欲が高まり、就職先の選択肢も広がる中で、早期離職でもっと良い職場に移ろうと考える若者は増えているのかもしれない▼会社を辞める理由は人それぞれだろう。オワハラがその原因にならなければよいが。


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