地域の建設業で働く人の数は、警察と消防に従事する人の10倍以上といわれる。普段はインフラの整備や維持管理などに従事しながら、災害が起きれば、真っ先に現場に駆け付ける▼「皆さんが汗水垂らして働いてくれるからこそ、(災害時に)警察や消防も活躍することができる」。佐藤信秋参院議員は最近、業界関係者が集まる場で、こうしたことを繰り返し訴えている▼11年3月の東日本大震災後も、日本列島は豪雨や噴火など自然の猛威に脅かされている。9月の関東・東北豪雨では、関東地方の国直轄管理河川としては30年ぶりという堤防決壊も発生。激甚化する災害への防災・減災の取り組みは「新たなステージ」に入ったといえる▼災害対応で建設業者が活躍する姿が報じられることは依然少ない。しかし、寸断された道路を啓開する人たちがいなければ、緊急車両を通すことすらできない。自衛隊、消防、警察の活動は「お膳立て」が整って初めてできる▼昨今の状況を踏まえ、大型補正予算を求める声が大きくなってきた。地域の守り手である建設業者の活動継続を考慮した対応を政府に求めたい。
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