地盤工学会の東畑郁生会長が東京都文京区の学会本部で記者会見し、熊本地震の被害状況の調査結果を明らかにした。
地震動と地震後に残った大きな断層変位に起因して地盤災害が広域に発生したと指摘。南阿蘇などの山地部では、斜面崩壊・土石流による道路・橋の破壊や不安定化した地盤や斜面が多く、梅雨や台風時には二次災害を引き起こす可能性があると警告した。
調査は九州地方を中心とした産・学のメンバーからなる調査団が実施。調査の効率を高めるため、▽活断層・地震動▽河川堤防・ダム・ため池▽港湾・液状化・地盤沈下▽斜面崩壊・土砂災害▽補強土・道路・鉄道・橋梁(下部工)・トンネル・ライフライン▽歴史遺産、熊本城、水道橋▽災害廃棄物▽南九州・八代周辺の被害調査▽大分の被害調査-の9班に分かれて行っている。
北園芳人団長は「同じ震度7でもマグニチュード(M6・5とM7・3)の違いによる被害の範囲、大きさの違いを実感した。もっとマグニチュードに注目すべきで、1・0違うだけで地震のエネルギーは32倍異なる」と強調。その上で、「熊本地震の場合は前震と本震ではマグニチュードが0・8異なり、エネルギーは約16倍本震が大きかったことになる。知られている活断層だけでも2000以上あると言われており、どの活断層で地震が発生してもおかしくない状況だ」と述べた。
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