2016年6月6日月曜日

【回転窓】「スーパーアース」を見る未来

出張で訪れた先々で、夜空にひときわ赤く輝く火星を目にしている。さそり座の近くで大きな存在感を放っており、お茶の間でも「スーパーマーズ」の呼称で話題だ▼地球と火星の間の距離は周期的に変わる。国立天文台によると、2018年は今年最も近づいた5月31日の7528万キロよりも近い5759万キロの「大接近」になる。しかし03年の5575万キロよりは遠いという▼取材先では公共工事の発注者と受注者が建設現場の生産性向上をめぐり活発に意見を交わしている。業界団体や建設会社の首脳は省力化を実現する技術開発や環境整備に意欲的。建設生産を一変させる技術の登場にも期待を寄せる▼建設技術は現場の改善提案によって進歩し、次の技術につながってきた。将来の現場を支える革新的な技術が登場するよう、地道な技術開発の取り組みを期待したい▼火星との距離に国立天文台が使うのは大・中・小の接近だけ。専門家はスーパーマーズの呼称は使わないようだが、いつか建設技術が発展し、火星から地球を「スーパーアース」として眺められる未来を想像しながら、きょうも夜空を見る。

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