関東地方整備局がICT(情報通信技術)を用いて現場の生産性を向上させる「i-Construction」の技術講習会と見学会を、関東技術事務所船橋防災センター(千葉県船橋市)で開いた。
16年度から一定規模以上の土工事を含む一般土木工事で、ICTの全面活用を促す取り組みを始めており、適用すると工事成績評定で加点評価するなど優遇措置を受けられる
ゼネコンや建設コンサルタント、地方自治体などの関係機関から6月1~2日の2日間で約240人が参加し、関心の高さをうかがわせた。講習会と見学会には日本建設機械施工協会や日本建設機械レンタル協会、日本測量機器工業会、日本道路建設業協会が協力した。
関東整備局は13年度から、情報化施工講習会としてICT建機のオペレーター講習などを開いていた。ICT活用の管理基準などが策定されたことを受け、今回から、施工管理者講習を新たに加えた。
レーザースキャナー(LS)計測と3次元(3D)設計図面とを比較して出来形を確認できるシステムの紹介や、UAV(無人航空機)のデモ飛行などを実施。3Dの設計データを基に自動制御するマシンコントロール(MC)なども実際の重機を用いて説明し、「丁張りが不要となり、出来形を確認しながら施工できるため、手戻りが大幅に減る」ことなどを活用メリットに挙げた。
関東整備局企画部施工企画課の村上大幹係長は、「i-Constructionを活用することで、初心者でも完成度を高めることができる。設計変更で費用を見る仕組みもできたので、普及を後押ししたい」と語った。
日本建設機械施工協会施工技術総合研究所の竹本憲充研究第三部主席研究員は「施工シミュレーションや設計照査など出来形管理だけではない部分に活用していくと、より効果が高まる。新しいニーズに対応する使い方を、受発注者が連携して柔軟に取り入れていくことが重要だ」との見解を示した。
参加者からは「説明を聞いて対応は可能だと感じた。ただ、人材の育成や資機材への投資が必要になるので、導入する仕事を継続的に発注してほしい」(建設業関係者)といった声が聞かれた。
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