2017年4月28日金曜日

【回転窓】まだ見ぬシステムに思いを巡らす

新聞折り込みのマンションや一戸建て住宅のチラシを見ながら、自分が住んだらどんな生活を送れるか想像するのは楽しい。テーブルはここ、テレビはあそこに…等々▼生活が始まれば想像した以上の世界が広がっていることも。住んでみないと分からないことは少なくない。住宅や建物だけでなく、道路をはじめ各種インフラも同じであろう。人々の生活にどんな効果をもたらすのかは、完成して使われてこそ分かる▼個々の建設技能者を登録し、それぞれの経験や技能を蓄積する建設キャリアアップシステムへの関心が高まっている。現段階でシステムの要件が定まったに過ぎず、具体的な開発はこれから。稼働は早くても1年後の見通しだが、システムの開発・運用について業界内の受け止め方はさまざまだ▼本紙1面のインタビュー連載「建設キャリアアップシステムを語る」はきょうで最終回を迎えた。登場いただいた官民6人の方々だけでもいろいろな意見がある▼客観性が高く業界統一のルールで運用されるシステムを実際にどう生かしていくのか。本格稼働に備えて建設産業全体が想像を巡らせなければいけない。

【B787実機を展示】18年夏、中部国際空港に新施設誕生へ

施設外観の完成イメージ
中部国際空港会社は27日、ボーイング787初号機の展示をメインとした複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」の起工式を愛知県常滑市の空港内敷地で開いた。約40人の関係者が出席し、施設の無事完成を祈願した。設計監理は日建設計、商環境の設計監理は東急エージェンシー、施工は東急建設が担当する。18年夏のオープンを目指す。
展示スペースの完成イメージ
施設の規模はS造3階建て延べ約1万平方メートル。建築面積は約5000平方メートル。建物の高さは約24メートル。ボーイング社から寄贈されたボーイング787初号機「ZA001」を1階に展示し、2~3階はシアトルを中心とした米国風の飲食店や物販施設、飛行機を眺めながら食事ができるフードコートなどを配置する。

体験型コンテンツ㊤と商業エリアの完成イメージ
3階は今後整備する新ターミナルビルや大規模展示場との連携強化につながる貴重な動線の役割も果たす。建設地は空港南側の立体駐車場の近接地。

 着工に当たり、友添雅直中部国際空港社長は「これまでに例のない商業施設。新しい空間として広く親しまれることを期待している」と語った。

【温泉街再生の起爆剤に】富士屋旅館(神奈川県湯河原町)をリノベーション

改修前の富士屋旅館。
18年4月のオープンを予定している
神奈川県湯河原町で廃業した老舗旅館の再生事業がスタートした。湯河原温泉を代表する高級旅館で02年に営業を停止していた「富士屋旅館」(宮上橋上557)を全面改修し、18年4月のリニューアルオープンを目指す。新たに設立された特別目的会社(SPC)「富士屋旅館合同目的会社」が土地・建物を取得して再生事業を行う。改修と運営は、飲食店や宿泊施設の経営などを手掛ける際コーポレーション(東京都目黒区、中島武代表取締役)が担当する。

 再生事業には横浜銀行や地域経済活性化支援機構(REVIC)などが共同で設立した「かながわ観光活性化ファンド」が出資・投資する。

 富士屋旅館は湯河原温泉郷の中心地にあり、建物の一部は明治時代に建築された歴史的建造物。02年の廃業以来閉鎖されていた。3月にSPCが前所有者から土地・建物を取得した。リノベーションでは歴史的外観を残しつつ宿泊施設を改修するほか、レストランやカフェなどを新設し、「おもてなし機能」の強化を図る計画。現在、際コーポレーションが現地調査を進めており、改修設計なども自社で行う予定だ。

 出資するファンドは16年3月、REVICと横浜銀行、横浜キャピタル、REVICキャピタルの4者が構成員となって設立した「かながわ観光活性化投資事業有限責任組合」で、存続期間は6年6カ月。設立目的は神奈川県内の経済・雇用を支える観光産業の発展に向けた取り組み支援で、富士屋旅館の再生支援が出資第1号案件となる。際コーポレーションは長崎県の五島列島でリノベーションでホテルを再生した実績がある。

 湯河原町は富士屋旅館のリノベーションを起爆剤に温泉街の再生にも着手する。3月29日に町と湯河原温泉まちづくり協議会、ノオト、横浜銀行、REVICの5者が「湯河原の歴史的資源を活用した地域活性化に向けた連携協定」を締結した。温泉郷の中心通り「湯元通り」のパブリックスペース整備や空き家・空き店舗への新たな事業者誘致などで、温泉街の面的な活性化を図る計画だ。

【現代建築に息づく伝統文化】東京・銀座に観世能楽堂誕生

 能楽界最大流派の観世流の拠点施設「観世能楽堂」が、東京・銀座に誕生した複合施設「GINZA SIX」に移転し、20日に開業した。

 東京・松濤にあった能楽堂から長年使用してきた舞台を移築。壁や客席にもふんだんに木材を使用し有機的で統一感のある仕上がりとなった。能楽堂と建物外観のデザインには、伝統的な「和」のテイストという共通性もある。

 能楽堂は地域に開かれた施設として、能以外のイベントにも対応するほか、災害時には約1000人の帰宅困難者の一時滞在スペースとしても機能する。

 ◇観世能楽堂、銀座の地に150年ぶり帰還◇

 「銀座への帰還は150年ぶり」と喜びを語るのは二十六世観世宗家・観世清和氏。観世流は寛永10(1633)年に江戸幕府の3代将軍徳川家光から、現在の銀座1丁目付近に約500坪の土地を拝領したとされる。それから明治維新まで200年以上にわたり拠点を構えていた経緯があり、流派にとって銀座は縁深い特別な場所という。

 新たな観世能楽堂はGINZA SIXの地下3階にある。広さは1600平方メートルで、松濤からそのまま移築した舞台は「解体の折と全く変わらない」(観世氏)出来栄えとなった。「マイナスの芸術」とも表される能の舞台に客席との間を仕切る幕はない。客席に向かって大きくせり出したひのきの舞台のほか、老松が描かれた「鏡板(かがみいた)」と呼ばれる壁、出演者の入退場スペースや舞台として機能する「橋掛(はしがかり)」、その奥の五色の「揚幕(あげまく)」などがあるだけの、極限までシンプルに研ぎ澄まされた空間となっている。

 舞台だけでなく能楽堂の左右の壁や客席の背もたれに木を使用し、統一感のある空間を演出。バリアフリーの観点から、480席ある客席のうち2席は車いす対応とした。多目的ホールとしてイベントやコンサートなどに利用できるよう、舞台上の柱「目付柱(めつけばしら)」は取り外しが可能になっている。

 観世能楽堂があるGINZA SIXの外観は、ステンレスやガラスなどの無機物が多く使われた洗練されたデザインだが、実は能楽堂との共通性もある。

完成した舞台で「土蜘蛛」の仕舞を披露する観世清和氏(前列左)
 ◇最新ビルと伝統芸能に〝和〟テイストの共通性◇

 基本設計と外観デザインを担当したのは日本を代表する建築家・谷口吉生氏。谷口氏はファサードデザインに、日本の伝統的な形式である「ひさし」と「のれん」の考え方を取り入れた。高層のオフィス階は、階ごとにステンレスのひさしを張り巡らせ、周辺からの視認性とオフィス全体の統一感を確保。低層部の商業施設のファサードには、店先にあるのれんを模して、店舗ごとにデザインが異なるパネルを配置した。

 「建築は中身を引き立てる器である」という谷口氏の理念の下、建築自体はシンプルに仕上げられたという。これは能の精神や舞台のしつらえに通底する部分でもある。

最先端と伝統が融合する「GINZA SIX」
 ◇伝統文化の底力見せる◇

 GINZA SIXへの能楽堂移転を後押ししたのは、施設開発に携わった企業の一つ森ビルだ。同社は事業テーマの一つに「文化・芸術」を掲げており、これまでも美術館、コンサートホールなどの施設を街づくりと融和させてきた。辻慎吾社長は「多彩な才能と磁力ある街や場が出会ったとき、思いもかけない面白いものが生まれる。東京、そして日本には、こうした街や場がもっと必要だ」と話し、その一翼として能楽堂に期待する。

 最先端の複合施設の地下から「日本の伝統文化の底力を見せる」と決意を新たにする観世氏。伝統文化の発信拠点としてはもちろん、歴史と最先端が融合し新たな価値を生み出す場として、能楽堂はこけらを落としたばかり。今後、国内外の人々を引き付ける磁力を発し続けることになる。

 《施設概要》

 【観世能楽堂】
 
 所在地=GINZA SIX(中央区銀座6の10の1)地下3階
 規模=1600m2、480席

 【GINZA SIX】

 開発主体=銀座六丁目10地区市街地再開発組合
 規模=S・RC・SRC造地下6階地上13階建て延べ14万8700m2
 設計=鹿島・谷口建築設計研究所JV
 外装意匠統括=谷口建築設計研究所
 施工=鹿島

【大規模アリーナ整備続く】福山市と堺市が事業発注を計画


 ◇福山市新総合体育館、第2四半期に5分割で発注◇

 広島県福山市は、千代田町の市営競馬場跡地に計画する新総合体育館を、本年度に5分割で工事発注する。

 発注時期は第2四半期を予定。契約方法は、建築と電気、機械、昇降機設備は一般競争入札、ガス設備は随意契約。規模はSRC一部RC・S造2階建て延べ約1万5200平方メートル。事業費は約97億円。今年秋をめどに着工、工期27カ月で19年度の完成を目指す。設計は梓設計・今川建築設計JVが担当した。

 新総合体育館は、メインアリーナ、サブアリーナ、武道場、一般利用施設などを収容するほか、2階テラスから芦田川の河川敷へつながる連絡ブリッジを設け一体的な活用を図る。中庭にはクライミングウォール(リード壁高さ12メートル×幅3メートル)も設ける。

 メインアリーナは、フロアサイズ約2600平方メートル(約65メートル×約40メートル)、天井高15メートル、2階固定席2100席、1階壁面収納可動席約900席。サブアリーナは、フロアサイズ約1000平方メートル(約40メートル×約25メートル)、天井高12・5メートル、2階固定席約300席。武道場は、1階柔道場(畳常設)約600平方メートル、約70人の観覧スペース、2階剣道場(床仕様)約600平方メートル、約70人分の観覧スペースを設置。

 一般利用施設は、スタジオ、トレーニング室、多目的室、会議室、キッズスペースなどを配置する。このほか、更衣室、事務・管理室、エントランスホール、駐車場(乗用車約360台、バス4台)なども整備する。

 ◇堺市大浜体育館建替PFI、5月下旬に入札公告へ◇

 堺市は「大浜体育館建替整備運営事業」のPFI事業者を決める一般競争入札を5月下旬にも公告する。6月に入札参加資格確認申請書を、10月に入札書と提案書を受け付け、11月に落札者を決める見通し。新施設は71年に完成した現体育館(堺区大浜北町5の7の1、RC造地下1階地上2階建て延べ8372平方メートル)の南側隣接地(堺区大浜北町4の3の50)に計画。総延べ床面積は約1万3000平方メートル。設計・建設期間は約3年を見込み21年3月の完成を目指す。

 応募企業グループは設計会社と建設会社、工事監理会社、維持管理会社、運営会社で構成。設計と建設、工事監理は02年度以降に1500平方メートル以上の無柱空間を配置した屋内スポーツ施設の新築・改築事業で元請実績が求められる。

 新施設はBTO(建設・移管・運営)方式を採用。既存施設の大浜公園野球場と大浜公園テニスコート、大浜公園相撲場、三宝公園野球場、浅香山公園野球場、土居川公園テニスコートについては事業者が維持管理・運営を行う。全体の事業完了は36年3月末。

 新施設はアリーナ棟と武道館棟、2棟をつなぐコミュニティー空間で構成。事業者の独立採算で設計から運営を行う施設も設置できる。アリーナ棟には大アリーナ(1920平方メートル〈40メートル×48メートル〉程度、観覧席2200席程度)と小アリーナ(800平方メートル〈40メートル×20メートル〉程度、観覧席800席程度)、大会役員控え室、放送室などを設ける。武道館棟には武道館(1400平方メートル)と観覧席(300席程度)を計画。

 器具庫や選手控え室兼更衣室、トレーニング室、健康・体力相談室、体力測定室、エントランス、キッズコーナー、授乳室、研修室、更衣室、トイレ、管理諸室、管理用駐車場などを新施設に適正配置する。

 「新大浜体育館基本計画策定支援業務」は八千代エンジニヤリングが、「大浜体育館建替整備運営事業にかかるPFIアドバイザリー業務」は三菱総合研究所(提携=安井建築設計事務所、日本ベンチマーキングサービス、渥美坂井法律事務所弁護士法人)が担当した。

2017年4月27日木曜日

【回転窓】盆栽が伝える文化

さいたま市できょうから第8回世界盆栽大会が開かれる。日本での開催は大宮市(現さいたま市)での第1回大会以来28年ぶり▼メイン会場の「日本の盆栽水石至宝展」では、推定樹齢が1000年を超す真柏・銘「飛龍」を筆頭に日本を代表する名品を展示。内外の著名な盆栽作家が制限時間内に盆栽の形を作り上げるデモンストレーションもある▼同市が舞台となるのは「大宮盆栽村」があるからだ。東京・千駄木の植木職人が、関東大震災を機に望ましい環境を探して移住したのが出発点という。現在も6軒の盆栽園があり、「盆栽町」と地名にもなっている▼国会議事堂では、開会日に中央広間の台座に松の盆栽を置く習慣がある。四つある台座のうち三つは板垣退助らの銅像が備え付けられているが、一つは空席。優れた政治家の輩出を待つ意味を込めて盆栽を飾るそうだ▼成長する樹木を年月をかけて理想の姿に仕上げる盆栽。時には荒ぶる自然と折り合いながら生きてきた日本人気質と重なる気がする。世界の政治が揺れている昨今。しなやかにいなしつつ、きれいな形を作り上げる。そんな所作が求められている。

【5月15日に記念式典】東北大青葉山新Cの中核施設群が完成

 東北大学が段階的に建物やインフラの整備を進めてきた青葉山新キャンパスの核施設となる「農学系総合研究棟」と福利厚生施設の「青葉山コモンズ」が3月までに完成した。5月15日に新キャンパス開設記念式典を現地で開く。

 新キャンパスでは14年に災害科学国際研究所が完成し、15年には地下鉄東西線青葉山駅も開業。今回、二つの大型施設が完成し、研究開発・教育の基盤整備が整った。

 新キャンパスには13年11月、東北大と半導体大手の東京エレクトロンが次世代型磁気メモリーの共同開発を行う施設となる「国際産学連携集積エレクトロニクス研究開発センター」が完成。1年後の14年11月には東日本大震災の知見と教訓を生かし、防災・減災研究を行う拠点施設となる「災害科学国際研究所」(今村文彦所長)が竣工した。

 農学系総合研究棟は、仙台市中心部の東北大学農学部キャンパスを全面移管するための受け皿となる。青葉山コモンズは、食堂や図書館、ホールなどが入る福利厚生施設として同棟の東側に建設された。

 農学部の移転跡地はイオンモールが開発を手掛ける予定で、現在は老朽化した既存講義棟などの解体作業が進められている。

 青葉山新キャンパスでは現在、外国人留学生などを受け入れるための新たな寄宿舎となる「ユニバーシティ・ハウス」の整備が進む。

 同事業では民間活力を導入するBTO(建設・委譲・運営)方式を採用し、青葉山新キャンパス西端付近に合計752室の宿舎を整備する。計画地は、建設中の動物実験棟の南側。施設規模はRC一部S造6階建て一部平屋延べ1万9778平方メートルを想定している。施設は17年度までに完成する見通し。

 5月15日の開設記念式典では、同大の植木俊哉理事らが両施設や新キャンパスの整備計画などを説明する。文部科学省や宮城県、仙台市などの関係者らでテープカットを行い、新キャンパスの中核を担う施設群の完成を祝う。

【対象は32施設】東京五輪組織委、競技会場仮設オーバーレイ基本設計発注

仮設オーバーレイの設計対象施設の一つ「東京体育館」
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は25日、2020年東京五輪の競技会場に一時的に備え付ける仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計の委託先を決める条件付き一般競争入札6件を公告した。詳細設計と設置工事は一括で別途発注する。

 基本設計6件の入札概要は次の通り。▽件名=〈1〉参加申請期限〈2〉開札日〈3〉対象施設〈4〉履行期間。
ビーチバレーボールの会場となる潮風公園
(ⓒ tokyo2020)
▽仮設オーバーレイ基本設計業務委託(1)海の森水上競技場ほか6会場=〈1〉5月11日〈2〉5月26日〈3〉海の森水上競技場、青海アーバンスポーツ会場、海の森クロスカントリーコース、カヌー・スラローム会場、大井ホッケー競技場、お台場海浜公園、潮風公園〈4〉9カ月

 ▽同(2)オリンピックスタジアムほか3会場=〈1〉同17日〈2〉6月1日〈3〉新国立競技場、東京体育館、国立代々木競技場、日本武道館〈4〉同
セーリング競技の拠点となる江の島ヨットハーバー(ⓒ tokyo2020)
▽同(3)有明アリーナほか8会場=〈1〉同22日〈2〉同6日〈3〉有明アリーナ、有明テニスの森、有明BMXコース、東京国際フォーラム、皇居外苑、国技館、横浜スタジアム、江の島ヨットハーバー、福島あづま球場〈4〉同
さいたまスーパーアリーナ
(ⓒ tokyo2020)
▽同(4)幕張メッセAホールほか10会場=〈1〉同30日〈2〉同13日〈3〉幕張メッセ(A、B、C各ホール)、釣ケ崎海岸サーフィン会場、霞ケ関カンツリー倶楽部、さいたまスーパーアリーナ、埼玉スタジアム2002、横浜国際総合競技場、札幌ドーム、宮城スタジアム、ほか追加会場〈4〉同

 ▽同(5)オリンピックアクアティクスセンターほか4会場=〈1〉6月2日〈2〉同19日〈3〉オリンピックアクアティクスセンター、東京辰巳国際水泳場、アーチェリー会場、武蔵野の森総合スポーツ施設、東京スタジアム〈4〉同
射撃競技会場の陸自朝霞訓練場
(ⓒ tokyo2020)
▽同(6)陸上自衛隊朝霞訓練場=〈1〉同5日〈2〉同20日〈3〉陸上自衛隊朝霞訓練場〈4〉同。

【WLB実現へ自ら考え行動】長大、女性活躍促進PT発足

 長大が女性の活躍を促進するためのプロジェクトチームを発足させた。

 女性の活躍を後押しする研修や啓発の推進が目的で、女性社員全130人がメンバー。プロジェクトを通じ女性社員のニーズを吸い上げる。同時に女性社員が自らの新しい可能性に気付き、考え、行動することを目指す。

 プロジェクトの成果は10月にスタートする来期の施策に反映させていく。

 同社は「新たな人事施策を考える委員会」を15年に設置し、2年にわたり長時間労働の解消、女性活躍促進、介護支援、高齢者雇用などの施策を検討してきた。来年3月に創立50周年を迎える今期は「働き方改革元年」と位置付け、働き方改革推進室を設置するなど体制を強化している。

 女性活躍促進に向けては、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を昨年4月に始動。より実効性のある内容とするため、「女性の活躍促進プロジェクトチーム」を立ち上げた。

 同社のコーポレートロゴの「C」と「C」で始まるキーワード(コミュニケーション・チェンジ・チャレンジ・キャリア・チョイス・キャッチ・コンティニュー)から、プロジェクトは「7Cプロジェクト」と命名した。

 永冶泰司社長が各本部から10人の女性リーダーを選定。25日に東京都中央区の本社でリーダーが集うキックオフミーティングを開いた。「プロジェクトは出発点」「一人一人がロールモデルになるという自負を持って取り組みたい」「取り組みが男性社員にも伝わり、当たり前のこととなり、近い将来、プロジェクトを解散する時がくる」などの意見が上がった。

 今後は、全女性社員が集う交流会や女性社員を対象としたライフプランセミナーなどを企画していく。次回のリーダー会議は5月24日に開催する予定だ。

2017年4月26日水曜日

【回転窓】よい風呂の日に

きょう4月26日は「よ(4)い」と「ふ(2)ろ(6)」の語呂合わせから、「よい風呂の日」。親子が一緒にお風呂に入って対話を深めることなどを目的とした記念日という▼確かにお風呂は貴重なコミュニケーションの場になる。親子の会話が弾むのはリラックス効果によるものだろうか。3年前に人気映画「テルマエ・ロマエ」の2作目が公開されたのに合わせて制定された記念日で、言い得て妙のネーミングである▼東京ガスが代表の風呂文化研究会は08年、「『浴育』のすすめ」と題した冊子を発行した。親子で入浴する“浴育”の楽しさに「遊び」「会話」「学ぶ」を挙げ、お風呂が父親の育児参加に「絶好の場」とも紹介している▼子どもとお風呂に入るのは11歳まで、父と娘では9歳までが多い-。研究会の参加企業が行った調査ではそんな結果も出ている。子どもの成長は早く、「よい風呂の日」に浴育の大切さを改めて認識するのもいい▼お風呂にまつわる記念日には、「お風呂の日(2月6日)」「露天風呂の日(6月26日)」「パパフロの日(8月26日)」などもある。入浴を楽しむのに決まりはない。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/金海新空港建設(釜山市)、本格始動へ

総事業費6兆ウォン近い金海新空港建設事業(釜山市)が本格軌道に乗ることになった。昨年7月に着手した予備妥当性調査を紆余(うよ)曲折の末に通過し、空港開発基本計画の作成作業に拍車を掛けることができるようになった。

 国土交通部は、金海新空港建設事業に対する予備妥当性調査が終了したことに伴い、空港開発基本計画の作成委託業務を発注する計画であると10日明らかにした。

 空港開発基本計画には、空港開発予定地域の範囲、空港の規模・配置、建設・運営計画などを盛り込む。その後、来年から2020年までかけて基本・実施設計を経て、21~25年に本工事を実施し、26年開港を目標に推進する計画だ。

 国土交通部は金海空港の西側に年間3800万人の乗客を処理するための滑走路、国際線ターミナル、係留場など空港施設と新規国際線ターミナルにアクセスするための道路・鉄道といったアクセス交通網を建設することにしている。

CNEWS 4月11日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/ハノイ建築大学が日本と関係強化

 ベトナム最大規模の建築系大学であるハノイ建築大学(HAU)は、日本の大学・教育機関との関係を強化する。

 レ・クアン学長は「日本は世界的に活躍する建築家を多数輩出している。多くのベトナムの建築家が日本への留学経験を持っている」と話し、これまで日本の大学と築いてきた友好関係を拡大させる意向を示した。

 クアン学長によると、HAUには東京大学などで学位を取得した教員が多数在籍している。日本で行われる国際コンペに参加する学生が多く、留学希望者も増えていることから、交換留学制度などをより広めたいとした。

セイ・ズン 4月21日)

【多摩川横断の新橋梁整備】殿町羽田空港線ほか道路築造、五洋建設JVに

連絡橋の完成イメージ
川崎市は25日、4月7日に一般競争入札を開札して低入札価格調査を行っていた「都市計画道路殿町羽田空港線ほか道路築造工事」(WTO対象、総合評価方式)の落札者を201億1000万円で五洋建設・日立造船・不動テトラ・横河ブリッジ・本間組・高田機工JVに決めた。

 6月の市議会で承認を受けた上で本契約を締結する。設計・施工一括発注方式で多摩川を渡る橋梁を建設する。履行期間は21年3月31日まで。

 入札には3者が参加、うち1者は応札を辞退した。予定価格は260億9714万円、低入札価格調査の基準価格は247億4791万円だった。

【多機能型スタジアム・アリーナ、整備実現へ動く】スポーツ庁、近くモデル事業者の募集開始

スポーツ庁は今月中にも、数千~数万人を収容できる多機能型のスタジアムやアリーナを整備するモデル事業者の募集を始める。

 主な対象は新築や既設施設の増改築や改修を検討・計画する地方自治体や民間事業者。コンサートなどのスポーツ以外のイベントも常時開催できる多機能型の「稼げる」施設づくりを前提に、同庁が外注する専門家を派遣して計画作りや調査検討などを助言する。

 スポーツ庁は、17年度予算に「スポーツ産業の成長促進事業」として新規計上した1・3億円の一部を今回のモデル事業に充てる。

 多機能化や街なかへの立地、商業施設の併設などを柱とする高収益型のスタジアム・アリーナづくりは、政府が昨年6月に決定した成長戦略「日本再興戦略2016」に盛り込まれている。

 政府は先月24日の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で2025年までにスタジアムやアリーナを全国に20カ所整備する方針を決めた。現時点で整備対象は確定していないが、安倍首相は法律や予算、税制を総動員して具体化する考えを示した。

【広島新スタジアム整備で調査着手】中央公園広場サッカースタジアム整備影響等調査、山下PMCに

広島市は、「中央公園広場におけるサッカースタジアム整備の影響等に係る調査・検討業務」の委託先を決める公募型プロポーザルで山下ピー・エム・コンサルタンツを最優秀提案者に選定した。近く委託契約する。

 業務費用は800万円以内。6月をめどに施設配置などの検討、周辺地域からの質問書等への対応に関する検討について中間取りまとめを行う。引き続き、実現可能性の検証と三つの候補地を比較検討し、9月29日までに結果を取りまとめる。対象地区は中区基町の中央広場公園約7・9ヘクタール。

 業務内容は、▽15年度に実施した可能性調査で想定した旧市民球場跡地、広島みなと公園に整備するスタジアムと同等の施設を中央公園広場に建設する場合の各種検証(日影検討、ボリュームチェック、観客席の席数、アイレベルの確認・検証、施設構成、諸室レイアウトの確認・検証、概算事業費算出、図面等の作成、パース作成など)▽周辺地域からの質問書等への対応に関する検討▽実現可能性検証と三つの候補地の比較検討。履行期間は9月29日まで。

 業務の前提条件として、スタジアム本体は日本サッカー協会の定めるスタジアム標準・スタジアム検査要項に準じる仕様とする(観客席は3万人)。付帯工事(スタジアムの運営上、本体工事とは別に必要となることが想定される工事)は、原則、国道54号と城南通りを横断するペデストリアンデッキの設置、ライフライン(電気、上下水道等)の移設、公園内設置物(記念碑、記念樹、堀川等)の移設。広島市の建築物等の駐車施設の付置に関する条例に伴う付置義務駐車場の整備、埋蔵文化財の試掘調査などについても検討する。

【18年度にも方針取りまとめ】秋田県と秋田市、スタジアム建設で検討会立ち上げへ

スタジアム建設に向けた検討組織は今夏に立ち上がる予定
(写真はイメージ、本文とは関係ありません)
秋田県と秋田市が共同で計画する大規模なサッカースタジアムの建設構想が近く本格的に動きだす。

 スタジアム整備を公約に掲げる佐竹敬久秋田県知事と穂積志秋田市長が4月の知事選・市長選でそろって再選され、県・市が共同でサッカー場を建設する事業が実現に一歩近づいた。

 県は6月補正予算案に施設整備に向けた検討会の開催経費を計上し、今夏までに市や有識者を交えた会合を立ち上げる。会合の検討結果を踏まえ、県と市は18年度にも施設の建設場所や規模などを示す基本構想を打ち出す予定だ。

 県は12年度から、サッカーJリーグの試合開催など大規模なスポーツイベントを行えるスタジアムの整備を検討してきた。13年2月には、県内の既存施設を改修・拡充し、スタジアムを実現するとの基本方針を打ち出していた。

 ただ県の担当者は4月時点で、既存施設をリニューアルする場合と新たにスタジアムを建設する場合では事業費に大きな差はなく、既存改修のメリットは小さいと見ている。施設を新設・改修するいずれの場合も100億円近い事業費がかかる見通しという。

 13年当時、交通アクセスや立地などの面から、県は改修する候補施設として▽秋田市八橋運動公園球技場▽秋田市八橋運動公園陸上競技場▽秋田県立中央公園球技場-の3施設を挙げていた。

 スタジアムの整備は当時、サッカーJリーグやラグビートップリーグなどの試合開催、ラグビーワールドカップの合宿地、各種イベントでの活用などを想定して行うこととしていた。

 この内容を満たすため、3施設の改修では、客席1万5000席以上の確保(J1基準)、夜間照明の新設・増設、大型映像装置の新設が求められるとしていた。

 秋田市八橋運動公園球技場を改修する場合、けやき通り側にメインスタンドを新設、下部にロッカールームなど諸室を整備する。客席の一部は芝生席からベンチ席へ変更する。周辺への騒音の影響を考慮し防音壁を設ける。概算事業費は46億64百万円と試算した。

 一方、同陸上競技場を活用するケースでは、メディア対応諸室を整備し、客席ベンチを個席へ取り換える。この施設でも騒音の影響を考慮し、防音壁を設置する必要があるとした。概算事業費は18億23百万円。

 秋田県立中央公園球技場を生かす場合、既設球技場のスタンドを取り壊して新たにグラウンドとスタンドを整備する。概算事業費は61億52百万円。秋田市八橋運動公園球技場の南側は周囲が公共施設のため、住宅への騒音被害が生じないとし、公園内にスタジアムを新設するケースも検討した。この場合の概算事業費は59億14百万円だった。

2017年4月25日火曜日

【20階建て延べ2・9万㎡】さいたま新都心ビル商業ゾーン、5月17日先行開業

 JR東日本が建設している「JRさいたま新都心ビル」(さいたま市中央区新都心11の1)のうち、2~4階部分の商業ゾーンが5月17日に先行オープンする。グランドオープンは6月13日を予定している。

 同ビルはJRさいたま新都心駅に近接。規模はS一部SRC造地下2階地上20階建て延べ2万9558平方メートル。ホテル(157室)、事務所、商業施設、ブライダル施設、子育て支援施設などが入居する。商業ゾーンの店舗数は14店舗で店舗面積は約2500平方メートル。

 ビルの設計は清水建設、施工は大和ハウス工業が担当した。ビルの運営はジェイアール東日本ビルディングが行う。

【女性技術者のトリセツ作成しました】日建連、都内でけんせつ小町セミナー開く

 日本建設業連合会(日建連)は21日、会員企業の女性技術者を対象にした第3回「けんせつ小町セミナー」を東京・渋谷のTKPガーデンシティ渋谷で開いた。

 これまでのキャリアを振り返りながら、今後の働き方を考えるとともに、他社の技術者との交流を促すのが狙い。27社から27人が参加し、グループに分かれての議論や自分の「取扱説明書」の作成などを行った。

 セミナーの冒頭、「けんせつ小町」と名付けた建設業で働く女性の活躍促進に取り組んでいるけんせつ小町委員会けんせつ小町部会の畠中千野委員(大成建設)が「皆さんのこれからの働き方を考えるきっかけにしてほしい。終了後には懇親会でもたっぷり交流して下さい」とあいさつした。

 セミナーは、女性の起業塾などを開催している倉橋和世キャリエラ代表取締役が講師を務めた。個人とグループそれぞれで、これまでのキャリアについて話し合った後、個人ごとに取扱説明書を作成。得意なことなどの「セールスポイント」、苦手なことの「注意事項」、癒されたり夢中になっていたりすることの「メンテナンス」、使用する側の人へのメッセージを記入した。互いの説明書をグループの中で発表。他のグループにも見てもらい、共感できる内容に付箋を貼った。

 感想発表の場で、ある参加者は、「上司との関係などについて共感できる話が聞けてよかった」と振り返った。別の女性技術者は「同じような悩みの話が聞けてモチベーションのアップにつながった」と述べた。

 締めくくりに、倉橋氏は「新入社員のころから涙して、すごく頑張ってこられた人たちが集まった。きょう振り返ったことをあすの仕事につなげてほしい。同じ業界で仕事をする仲間。より強固な関係をつくっていただきたい」とエールを送った。

【回転窓】GW、休めますか

間もなく5月の大型連休。プレミアムフライデーの4月28日と5月1、2日を休めば10連休(4月28日~5月7日)になる今年の暦。旅行やレジャーの計画を立てている人も多いだろう▼JTBが先日発表したゴールデンウイーク(GW)の旅行動向予測によると、期間中の旅行者総数は2360万人。うち59・5万人が海外に出掛ける見通しという▼そもそもGWの呼び名が定着したのは1950年代初め。お正月やお盆休み以外の時期に観客を増やしたかったある映画会社が宣伝用語として編み出し、定着した和製英語という。大型連休といっても誰もが長い休みを謳歌(おうか)できるわけではない▼サービス業は書き入れ時だし、休みの時期を狙ってオフィスや工場がリニューアル工事に入るケースも多く、建設業でも仕事という人は少なくないと聞く。新年度が始まって間もないこの時期、長い休みで緊張が解け、反動で勉強や仕事の意欲が減退する「5月病」も心配だ▼働き方改革が叫ばれ、労働時間の短縮や職場環境の改善が注目される中で迎える今年のGW。暦通りの方もそうでない方も、充実した時間を過ごせますよう。

【橋長927m、新たなランドマーク誕生】小名浜マリンブリッジ(福島県いわき市)が完成!!

 福島県と国土交通省が全国初の特定貨物輸入拠点港湾として整備している小名浜港(福島県いわき市)の3号ふ頭と人工島の東港地区を結ぶ臨港道路「小名浜マリンブリッジ」が完成し、23日に現地で完成披露式が行われた。

 小名浜マリンブリッジは橋梁延長927メートル。航路部の5径間連続PCエクストラドーズド橋(510メートル)を4径間連続PC箱桁橋(3号ふ頭部220メートル、東港部197メートル)で挟んだ構造が特徴。臨港道路にエクストラドーズド橋が用いられた初の事例という。桁橋と斜張橋の長所を取り入れた形式で、桁高を抑えて道路勾配を緩やかにする効果がある。

 10年3月に事業に着手し、3月末に完成。当面は東港地区建設関連の車両移動路として暫定的に活用する。将来は東港地区に陸揚げされる輸入石炭を内陸に輸送する臨港道路となる。

 完成披露式であいさつした国交省の菊地身智雄港湾局長は「小名浜マリンブリッジは東港地区と一体的に小名浜港の拠点となり、国際バルク戦略港湾として我が国の産業競争力強化と国民生活の安定を支え、福島県の復興を後押しする重要な役割を担っていく」と述べた。

 福島県の内堀雅雄知事は「震災により甚大な被害を受けた小名浜港は、皆さんの尽力によって全面復旧を遂げた。完成した小名浜マリンブリッジは国際物流ターミナルのアクセス道路であり、地域の産業や観光にも寄与する新たなランドマークとなる」と語った。

 関係者によるくす玉開披や、いわき市民を代表し3世代家族による渡り初めが行われた。夕刻には橋をライトアップして完成を祝った。東港地区では水深18メートルの耐震強化岸壁が整備され、石炭ストックヤードとなる人工島の埋め立て造成が行われている。

【脂肪燃やして社会貢献!?】国際航業ら、スマホアプリの実証実験開始

NPO法人メタボランティア(東京都品川区、竹田周代表理事)と国際航業は、個人がスポーツやダイエットを通じて消費したカロリーを金額に換算して社会貢献団体に寄付できる携帯端末向けアプリケーション「Charity Diet(チャリティー・ダイエット)」の事業化に向けた実証プロジェクトを開始する。

 5月から2カ月、500人を対象にサービス実験を行う。専用サイトで参加者(会員)を募集している。

チャリティー・ダイエットは、スマートフォンなどで使用可能な無料のアプリと、フィットネス、ランニング、ウオーキング、ダンス、ヨガ、ゴルフなど各運動で消費するカロリー量を取得できるアプリを連動させ、消費カロリーを金額に換算して応援する参加団体に寄付する仕組み。メタボランティアが企画・プロデュース、アプリ開発を担当し、国際航業がビジネス開発、システム開発支援を行う。

寄付できる団体はNPO法人ハンガー・フリー・ワールド、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)、NPO法人カタリバから選べる。

 両者は「あなたが動けば、世界も動く」(社会貢献)をコンセプトに、「脂肪を燃やして寄付にする携帯アプリ」として市民に参加を呼び掛ける。メタボランティアは、「健康増進と社会貢献」を切り口にしたチャリティーイベントなどで得た資金を途上国の食料支援などに寄付している。

2017年4月24日月曜日

【スポーツで地域活性化】スポーツ庁、12冊のまんが事例集制作

 ◇新たなまちづくりの起爆剤に◇

 スポーツ庁がスポーツによる地域活性化を後押しするため、12冊のまんが事例集を制作した。北海道から九州まで全国12市町を選び、地元の専門学校や短期大学に通いまんがなどを学んでいる学生らに取り組み事例を描いてもらった。

 制作した事例集は『ラグビー合宿の聖地へ』(北海道網走市、なつき凜さん)、『日本初のバレーボール専用体育館・オガールベース』(岩手県紫波町、小野花奈さん)、『バスケで秋田を元気に』(秋田市、清野翔太さん)、『世界が注目するアウトドア天国・みなかみ』(群馬県みなかみ町、木村信吾さん・齋藤来美さん・清水蒼衣さん)、『市民が主役の交流拠点アオーレ長岡』(新潟県長岡市、上村千夏さん)、『サッカーで地域を盛り上げる』(長野県松本市、志賀北登さん)、『マリンスポーツでまちおこし』(三重県熊野市、石川智代美さん・小川美乃里さん)、『「自立と連携」スポーツを核に地域に雇用を生む』(島根県出雲市、佐々木よう子さん・かみや風利さん・松岡亜門さん)、『瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会』(愛媛県今治市、二宮法子さん)、『Japan Open 飯塚国際車いすテニス大会』(福岡県飯塚市、小林円美さん)、『スポーツコミッションで合宿誘致』(佐賀市、松井美由紀さん)、『大分国際車いすマラソン大会』(大分市、北林珠美さん)。

小野花奈さんの作品は、人口3万人の町に建設し今や年間90万人が訪れる「バレーボール専用体育館」の実現までの経緯や施設に込めた思いを、志賀北登さんの作品は驚異的な観客動員数を誇るJリーグ・松本山雅FCの歩みをそれぞれ紹介。二宮法子さんの作品は高速道路を通行止めにして開催する国際サイクリング大会の実現までの軌跡を描いている。

 いずれの作品もスポーツをキーワードに地域活性化を実現した取り組みをまんがで紹介している。学生らに描いてもらったのは、各地域の取り組みを若者の視点からリアルにとらえてもらうため。作品はスポーツ庁のHPからオンデマンド印刷で入手できる。

【回転窓】休日の過ごし方改革も

日本建設業連合会(日建連)が土曜日の現場閉所を原則とする週休2日の定着に向けた検討に入った。先に発足させた推進本部で議論して17年中に行動計画をまとめ、5年で定着を目指すという▼若い担い手を確保する労働環境改善の取り組みの一つ。働き方改革をめぐる政府の方針で建設業への時間外労働の上限規制適用も決定。対応は避けられない。工期、コスト増への対処、顧客の理解、日給制技能者の収入確保…。課題は多いが、休日労働が常態化している慣習を打破する試みへの期待は大きい▼週休2日実現への機運が盛り上がる中、一部の会員企業からユニークな提案も浮上している。その一つが「休日の過ごし方改革」。ある会員企業の首脳は「休むだけでは働き方改革にならない」と指摘。「人間力の向上につながる休日」を求めている▼「人間力」などと言うと少し堅苦しい雰囲気になるが、こだわっているのは目的と内容。家族の絆を深める、友達や恋人と過ごす、一人で趣味に没頭する…。「重要なのは休みで増えた時間をどう使うか」だと▼働き方も休日の過ごし方も変える週休2日。行方を注視したい。

【横浜中華街の老舗がリニューアル】重慶飯店(横浜市中区)、本館建て替えへ

 横浜・中華街の老舗中華料理店「重慶飯店」(横浜市中区、李宏道社長)が本館を建て替える。

 2020年東京五輪などを契機にした将来的な集客増を見据えた戦略。新たな建物は7階建て延べ1145平方メートルの規模で、設計・施工は大和ハウス工業が担当。今月から約1年半休業し、7月にも着工、18年秋のリニューアルオープンを目指す。

 総工費は約7億5000万円。最上階には貴賓室として中華街で最大級となる直径3メートルの円卓を24人で囲む個室を備える予定だ。

 計画名称は「重慶飯店本館建替計画」。計画地は中区山下町164。敷地面積は241平方メートル。

 本館は1959年に開店。本館の建て替えは創業以来初となる。新店舗のデザインコンセプトは「継承」。これまで受け継がれてきた伝統をつなぎ、新たな重慶飯店を表現するという。新本館は1階が売店、2~3階がレストラン、4階が厨房、5~7階が宴会場。席数は従来より120席多い250席とする予定。

 重慶飯店は四川料理の老舗として横浜中華街にレストラン4店舗、売店4店舗を構え、ほかに東京、名古屋、千葉、岡山などにも店舗を展開している。

【スマホにも対応しました】日建連、けんせつ小町HP大幅リニューアル

 日本建設業連合会(日建連)は、建設産業で働く女性「けんせつ小町」の情報を提供するホームページを大幅にリニューアルし、24日に公開する。

 けんせつ小町について「知りたい」「なりたい」「会いたい」などのコンテンツを用意。建設業になじみのない一般の人に関心と親しみを持ってもらうと同時に、会員企業などが必要な情報を把握しやすい内容、デザインに改めた。スマートフォンやタブレット端末での閲覧にも対応させた。

 会員企業が必要な情報を取り出せるよう時系列にファイルなどを並べてあった従来のデザインを一新。建設業で働く女性の姿と、女性を歓迎している建設業の姿勢を強調。写真を使い、現場のけんせつ小町工事チームの活動や現場監督の仕事などを紹介している。

 「けんせつ小町のつながり」というコンテンツも設け、現場などで活躍するけんせつ小町の支援につながる情報を分かりやすくまとめた。経団連、政府、都道府県の支援情報が分かる「働く女性の相談窓口」などのリンクもある。ホームページのQRコードも用意した。

 日建連は、スマホやタブレット端末に対応したサイトデザインの採用に取り組んでおり、けんせつ小町サイトはその初弾。各種のSNS(インターネット交流サイト)から情報を発信してもらえるようにする。

 けんせつ小町Facebookはこちらから。

【応募総数379点】建コン協フォト大賞・大賞Jr決まる

横田直さん(岡山県)の「水田鏡」
 建設コンサルタンツ協会(建コン協)は、第8回「建コンフォト大賞」と第4回「建コンフォト大賞Jr」の受賞者を発表した。大賞の最優秀賞は横田直さん(岡山県)が撮影した「水田鏡」、中・高校生を対象にした大賞Jrの最優秀賞は米島菜津美さん(富山県)が撮影した「種蔵の里」と題した作品がそれぞれ選ばれた。

 水田鏡は、井原鉄道(岡山県倉敷市)の高架橋を走る電車の姿が水田に映る様子を捉えた幻想的な作品。種蔵の里は、岐阜県飛騨市の棚田の脇道を一人の女性が上る姿を写した印象的な作品。
米島菜津美さん(富山県)の「種蔵の里」
 両賞は建設コンサルタントの仕事への興味・関心を高めてもらおうと毎年実施。今回は、大賞に288点、大賞Jrに91点の応募があり、宇於崎勝也日大准教授が委員長代理を務める審査委員会が計13点の入賞作品をそれぞれ選んだ。

【凜】大建工業住空間事業部三重工場内装開発課・稲継実栗さん

 ◇テーマを持って商品を開発したい◇

 大学時代、木材に関する研究をしていた。研究してきたことを生かしたいと考え、就職活動では木材を使った建材を販売するメーカーを中心に検討。その中で、同じ研究室に所属していた先輩が数人入社していたことや、木材を使った商品の研究・開発に早くから携われる可能性を感じたことなどから、大建工業への入社を決めた。

 入社3年目。現在所属している内装開発課では、3チームに分かれて商品を開発しており、その中で床材や壁材を開発するチームに在籍している。

 入社前、研究・開発職は「黙々と仕事を進めている」というイメージを抱いていた。だが、一つの商品を開発するのに営業担当者や他工場で勤務している人などさまざまな人が関わっていることが分かり、イメージは一転。「いろいろな人と話すと全く新しい発想が得られることもあるので、コミュニケーションするのが楽しい」と笑顔で話す。

 3年目ということもあり、関わった商品の数は少ない。「自分が開発したいと思う商品のイメージがまだまだ湧かない」というが、「これからいろんな経験を重ね、ゆくゆくはテーマを持って商品を開発したい」と意気込む。

 休日には、自然が豊かな場所に出掛けることが多いという。同じ工場に勤める同僚とアジやカワハギが釣れる伊勢湾に行き、海釣りも楽しむ。

 (いなつぐ・みくり)

【建設業の心温まる物語】松尾建設・今村純也さん(愛知県)

 ◇たまたま、から始まるやりがい◇

 私が今いる会社に入社したのは、工業高校の土木科にたまたま進学し、高校のインターンシップにたまたま参加した会社だったという理由でした。たまたま入った会社であり、たまたま就いた建設業の仕事だったので、特にやりたい仕事というわけではありません。そのためやる気を持って仕事をしていませんでした。仕事でミスをして、上司や先輩に怒られ、何度も辞めようと思っていました。

 そんなある日、ある現場にて協力会社のAさんと話していた時のことです。いつもAさんから遠回しに「いつ辞めてもいいんだよ」と言われていました。私は、そんなAさんになぜ今の仕事を続けているのか聞いてみました。

 すると「これがオレの天職だから」と一言返ってきました。思いもよらない返事に驚きました。

 そして、「自分の仕事を天職と言えるなんてかっこいいな。私もそれぐらい建設の仕事を好きになってみたいな」と思いました。Aさんは考え方だけでなく、その働く姿もかっこよく見えました。

 その現場が終わってから、もっと現場仕事のいろいろなことを覚えたい。そして、いつの日か仕事の実力もかっこよさもAさんを越えるようになりたいと思うようになりました。

 Aさん越えを目指して今も、やりがいを感じながら日々努力を続けています。

【建設業の心温まる物語】殖産工務所・鈴木秀樹さん(山形県)

 ◇厳しい貴重な体験をさせてくれた尊敬する課長

 会社に入り初めて現場を担当した時のことです。3~4人の作業員と職長で道路工事の付帯工事を行っていました。しかし測量ミスや打合せ不足、仮設計画の不備などで、工事のやり直しや、手待ちが発生してしまい、工程通りに進まない状況が続いてしまいました。当時の上司であるA課長は現場であまり指導をしてくれません。事務所に帰り現場の状況を報告すると「なぜ進まないの? あなたの準備が悪いんでしょ!」と言われます。事務所に戻るのがイヤになっていました。

 工期が迫り、会社の仲間が手伝いに来てくれることになりました。毎日夜10時頃まで残業して作業を行ってくれました。さらに夕方になると総勢20人ほどの作業員がきてくれて作業をしてくれました。

 しかし私は、大勢の作業員の陣頭指揮をうまく執ることが出きず、意気消沈していました。すると、A課長が現場に来てくれ「俺にまかせろ」と言って全ての采配と段取りをしてくれました。

 課長は私の考えや、段取り、工程、人の使い方、そして下請けの作業員からの受け入れられ方まで全て見抜いていました。その上で、厳しい態度をとってくれていたのです。今、改めて考えてみると、後輩に厳しく貴重な体験をさせて、責任は自分が執るという気持ちを持たれていました。

 そんなA課長を今も尊敬しています。

【建設業の心温まる物語】樋下建設・高橋学さん(岩手県)

 ◇ベテランに負げねぇぞ!◇

 私の父は重機オペレーターをしています。小学生の時に初めて、重機に乗り作業をする父を見ました。父は大きい重機を自分の手足のように動かしていました。私が建設業に就きたいと思ったきっかけは、そんな父がとてもかっこよく見えたためです。

 「私も父のように重機を動かしたいなぁ」。ただそれだけの理由で、高校では土木学科を選択しました。

 そして現在の会社に入ることにしました。入社前に社長と面談をした時にこう聞かれました。

 「我が社に入ったら何がしたい?」

 私が「父のような重機オペレーターになりたいです」と答えると、「せっかく高校で土木の専門知識を勉強したんだから施工管理をやってみなさい」と言われました。そして現在では施工管理者として現場の責任者を任せていただいています。

 あるとき、下水道工事をしていました。土に埋まってしまうものを苦労かけてやっても意味がないと思っていました。すると住民のおばあさんに「いつも工事をしてくれてありがとう」と言われたのです。その時、自分がやっている仕事の大切さに気づきました。土に埋まってしまうものなんて、誰も見ていないし評価もしてくれない、なんて思っていたのに、ちゃんと見てくれている人もいるんだな、と。

 建設業は日本にとって本当に大切な仕事で、みんなのためにいろいろな物を造るスペシャリストの集団だと思っています。

 ベテランに負げねぇぞ!

【サークル】共同カイテック ランニングクラブ

 ◇目標はダイエットにホノルルマラソン◇

 共同カイテック(東京都渋谷区、吉田建社長)の有志による同好会。代表を務める入沢充明さん(管理本部広報チームチーフ)が創設した。

 最初は入沢さん1人でランニングをしていたが、8年前に東京都総合組合保健施設振興協会が主催するミニマラソン大会に2人で出場してから徐々にメンバーが増えた。現在はバスダクト事業部から12人、フロアシステム事業部から5人の計17人が所属する。

 「消費カロリーはビールと焼き肉で補う」がモットー。「走った後のビールは格別。それを楽しみにランニングしている」と入沢さん。

 定期的に部員が集まって練習することはないが、埼玉県上尾市で開かれる上尾シティマラソンや、同行田市で開かれる行田鉄剣マラソンには毎年10人前後が参加。個人競技のため部員が各自で大会にエントリーして走りを楽しんでいる。各部員の目標はダイエットや自己ベストの更新などさまざま。それぞれが掲げる目標に向かって努力する。

 入沢さんは、「目標はホノルルマラソンに出場することと、会社公認の部活動になること」と意気込みを語る。今後も、ランニング後のビールと焼き肉を楽しみに走り続ける。

【駆け出しのころ】安藤ハザマ執行役員技術本部長兼技術研究所長・弘末文紀氏

 ◇最終イメージをきっちり描く◇

 もともと研究職を希望したわけではなかったのですが、入社して下水処理場の現場で3カ月間研修した後、技術研究所に配属されました。

 ここですぐに「読んでおくように」と渡されたのが地下水の流れに関する解析プログラムが記録されたテープのリールです。大学で海岸工学を専攻し、波の解析を行っていたので基本的な流れは理解できたのですが、1000行にも及ぶプログラムすべてを読むのに1カ月ほどかかり、夢の中にまでプログラム言語が出てきました。

 入社2年目、建設省土木研究所(当時)に出向し、ダムの基礎岩盤の地下水計測技術であるルジオン試験の精度向上に取り組みます。私はこの出向を終えたら会社に戻るものと思っていましたが、今度はそのまま日本原子力研究所(同)に出向することになり、低レベル放射性廃棄物の処理に関する研究に携わりました。

 これら二つの研究機関で勉強させていただいたことは大変ありがたく、貴重な経験になりました。土木研究所では、研究開発というのは目次を作り、あらかじめ結果がどうなるかを想定した上で実験計画を立てて仕上げていくのが、スケジュールに間に合わせる方法であると身をもって分かりました。

 一方の原子力研究所では、それまで誰もやったことのない初めてのものが研究対象であり、このため事前にどのような結果になるのか、シナリオを想定するのが難しい。そんな中でもどう計画を立て、また研究開発のストーリーに修正を掛けていくのか。こうしたテクニックを学べたと思っています。

 これまで会社の若手によく言ってきたことですが、研究開発した最終成果品の使われ方までをしっかりイメージすることが重要です。例えば最終イメージを持たず、「ここまで開発したので、最後の仕上げは現場でお願いします」と投げてしまっては、良い技術であっても使われていかないでしょう。使う側の立場で使われ方までイメージできたら、そこに至る開発の筋道もしっかり立てられるはずです。

 技術開発には「チャレンジ」「スピード」「アピール」の三つが求められます。少々難しいことから積極的に取り組まないと差別化にはつながりません。開発した技術を使ってもらうためには社内外へのアピールも必要です。

 最近はこれらに「タイミング」を加えて言うようにしています。タイミングを逸した技術開発には意味がありません。遅きに失しては駄目ですが、難しいのは、逆に早過ぎてもいけないことです。もっとも、早すぎたら棚上げしておけばよいのです。その棚卸しならいつでもできます。

 (ひろすえ・ふみのり)1985年京大大学院工学研究科土木工学専攻修了、間組(現安藤ハザマ)入社。技術・環境本部技術企画部長、同環境部長、安藤ハザマ技術本部環境開発部長、技術本部技術研究所副所長、同技術研究所長などを経て、16年4月から現職。大阪府出身、57歳。
入社2年目にダム現場でアスファルト
グラウチングの試験を行った時の一枚

2017年4月21日金曜日

【五輪関連施設、17年度に続々着工】有明テニスの森など2施設の整備内容明らかに

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京都が整備する施設のうち、有明テニスの森(江東区有明2丁目)と大井ホッケー競技場(品川区八潮4丁目、大田区東海1丁目)の施設計画の詳細や工事工程などが明らかになった。

 有明テニスの森は現在49面あるコートのうち有明コロシアム以外のコートを再整備し、観客席付きのショーコート1と、クラブハウスを備えたインドアコートを新設。コロシアム西側にある歩行者通路をシンボルロードとして拡張する。大会後はショーコートはそのまま残し、インドアコートなどの仮設施設を撤去して49面に戻す。

 大井ホッケー競技場は大井ふ頭中央海浜公園内にある第一球技場と第二球技場を改築・改修する。第一競技場をメインピッチとなり、スタンド新築やフィールド整備、競技用照明整備を実施。第二球技場はサブピッチとして既存スタンドの改修、フィールド整備、競技用照明の改修を行う。

 ◇3千席ショーコート新設、仮設のインドアコートも◇ 

改修後の「有明テニスの森」のイメージ。手前中央がインドアコート
(提供:東京都)
 有明テニスの森と有明コロシアムの改修は17~19年度の約21カ月間で実施する。新設するショーコート1は3000席の観客席を備えたRCおよびS造3階建て延べ約6040㎡の規模で、有明コロシアムと芝生広場の隣接地に建設する。

 一方、クラブハウスを備えたインドアコートは、既存のクラブハウスがある場所に仮設で整備する。SおよびW造2階建て延べ約1万0330㎡の規模。屋上に太陽光発電設備を設置する。有明コロシアムは既存の維持更新計画に基づき老朽設備の更新、バリアフリー改修、屋根の改修、別棟・デッキ棟の整備を行う。

 すでに「有明テニスの森公園および有明コロシアム(28)改築および改修工事実施設計」を3億1500万円で環境デザイン研究所に委託済み。業務の履行期限は6月30日に設定されており、設計完了後、「有明テニスの森公園および有明コロシアム(29)改築および改修その他工事」のほか、関連する電気、空調、給排水衛生、昇降機の各設備工事を発注する。 
現在の有明テニスの森
(ⓒ tokyo2020)
 有明テニスの森の北側にはバレーボールや車いすバスケットボールの会場となる有明アリーナ、体操競技などが行われる有明体操競技場、自転車競技の有明BMXコースが整備される計画だ。

 ◇都内有数の多目的人工芝競技場に◇

大井ホッケー競技場のメインスタンド完成イメージ
(16年6月時点、提供:東京都)
 大井ホッケー競技場はオリンピック後の活用を見据え、多目的人工芝競技場として整備する。メインピッチは既存の第一球技場とその周辺を計画地とし、RC造一部S・SRC造3階建て延べ約5760㎡、高さ約23mのメインスタンドを新築する。メインスタンド以外の施設は第2球技場を含め改修で対応する。

 工期は準備工事期間を含めて約19カ月を予定。第一球技場は既存建屋・埋設物の撤去後に基礎工事を行い、スタンド整備を実施する。第二球技場は既存スタンドの改修やフィールド工事を実施する。

 「大井ホッケー競技場(仮称)(28)新築および改修工事実施設計」は7000万円で梓設計に委託。「大井ホッケー競技場(仮称)(29)新築および改修その他工事」と関連設備工事4件は17年度に発注する。施設に関連する業務として、都は日比谷アメニス・太陽スポーツ施設グループを「新規恒久施設の施設運営計画策定支援事業者(大井ホッケー競技場)」に選定している。

【7割超が人材確保へ取り組み実施】帝国データ、人材確保に関する企業意識調査

人材確保に向けて賃金体制の見直しなどを実施―。

 民間信用調査会社の帝国データバンクは、約2万3000社の民間企業を対象に、人材確保に関する意識調査を行った。調査結果によると、調査に答えた1万0082社の約7割、7281社が「2016年4月以降に新たな人材確保に向け何らかの取り組みを実施した」と回答した。

 取り組み内容で最も選択率が高かったのは「賃金体系の見直し」(46・6%)で、2番目に多かった「就業制度の充実」(23・5%)に対して約2倍の割合になった。時短勤務やフレックスタイム制度、有給休暇時間取得など、大企業を中心に各社は働き方改革に向けた取り組みに力を注ぐ。ただ産業界全体で人材不足が深刻化する中、ソフト面の対応だけで人材の確保・定着を図るのは難しく、賃金の見直しを進める企業は増えている。

人材確保の取り組みを実施した企業を業種別で見ると、実施割合が7割を越えたのは運輸・倉庫業(81・0%)、建設業(79・8%)、農林水産業(77・6%)など6業界だった。

 人材確保の具体的な取り組みは「賃金体系の見直し」、「就業制度の充実」に続いて「採用情報の発信」「福利厚生制度の充実」「採用ホームページの公開・リニューアル」の順。賃金体制の見直しを実施した企業を規模別で見ると、大企業は39・7%、中小企業は48・8%、小規模企業は54・2%となった。従業員数別では1000人超の28・6%に対して、51~100人は44・0%、21~50人は48・3%、6~20人は54・0%などとなり、企業規模が小さいほど人材確保に苦労している実態がうかがえる。

採用活動で企業が求める人材像は「意欲的である」の選択割合が49・0%と最も多く、続いて「コミュニケーション能力が高い」「素直である」「真面目あるいは誠実」の順だった。

 求める人材像を能動型、協働型、変革型、地力型の4タイプに分類したところ、「能動型人材」よりも「協働型人材」を選択する企業が多かった。同社は「意欲の高さは重視するが、変革をもたらす個性よりも、素直でコミュニケーション能力が高い人材を欲しているという傾向が出ている」と分析している。