すこやか小杉保育園の完成イメージ (提供:東急電鉄) |
東京急行電鉄が空中店舗開発などを手掛けるフィル・カンパニー(東京都千代田区、能美裕一社長)と連携し、同駅から徒歩3分の場所にあるコインパーキングの直上に、S造4階建て延べ543㎡の建物を整備。駐車場経営を続けながら、駅近の好立地な場所に保育園を新設する。施設は川崎市内で5つの保育園を運営する尚栄福祉会(川崎市高津区、奥村尚三理事長)が運営。定員60人の「すこやか小杉保育園」として8月ころから保育を開始する予定だ。
武蔵小杉駅周辺は大規模マンションの開発や商業施設の開業などにより、居住世帯数が大幅に増えている。保育園に子供を預けたい世帯が増加する中、市はこのエリアを保育園整備指定地域に位置付けている。待機児童の増加が社会的な問題として注目される一方、建設用地の不足は深刻化している。東急電鉄は保育園建設用地の不足解消と土地の有効活用を同時に図る事業として、平面駐車場の上部空間を活用するアイデアに着目。フィル・カンパニーと連携し、東急線沿線での事業に乗り出した。
1階部分の駐車場はそのままに、上部空間に建物を整備する (提供:東急電鉄) |
川崎市の集計によると、市内認可保育園は2016年4月時点で利用申請者数が2万7576人、利用児童数が2万5022人。2009年に対して申請者数は1・5倍、児童数は1・6倍となっており、いずれも過去最多の人数になっている。
一方、コインパーキングは2015年4月時点で全国に約6万5000カ所(日本ぺーキングビジネス協会調べ)あるとされ、その4割、2万3890カ所が東京都と神奈川県にある(同)という。鉄道駅の周辺には規模が比較的大きなコインパーキングもある。
フィル・カンパニーは駐車場上部の未利用空間を有効活用する「空中店舗」の開発事業を展開している。東急電鉄は現在進行中の中期経営計画で、沿線地域での資産活用コンサルティング事業を重点施策の1つに位置付けている。主要駅周辺での空中保育園開発が、子育て環境の改善に直結すると見ており、今後も両社で連携し同様のプロジェクトを進めたい考えだ。
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