2017年4月21日金曜日

【どうなる、都の入札契約制度改革】五輪関連工事の入札不調に懸念浮上

17年度に改修工事が発注される有明テニスの森
(ⓒ tokyo2020)
19日に開かれた東京都議会のオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会で、都が6月から試行する入札契約制度改革への懸念が浮上した。大幅な制度見直しの影響で今後、2020年東京五輪関係の建設工事の入札が不調に終わる可能性が高まると一部の都議が指摘。五輪開催に支障が生じないよう、新たな入札制度の慎重な試行を求めた。

 東京五輪の開催は20年7月からだが、都が新たに整備する競技会場は、テストイベントを行う19年内の完成が想定されている。今後入札公告する競技施設関連工事の工期は実質2年もないのが実情で、入札のやり直しで着工が遅れれば、工期はさらに厳しくなる。

 このため、ある都議は「今の時期に現行の入札制度を大幅改正することは、五輪の開催準備にも影響を及ぼす恐れがある」と指摘。今夏に試行する新方式のうち、入札参加希望者が1者しかなかった場合に手続きを即中止する運用などに疑問を呈した。

大井ホッケー競技場の完成イメージ
(16年6月時点、提供:東京都)
入札制度の改正は、小池百合子知事が外部有識者らとつくる都政改革本部のプロジェクトチームが主導して進めた。しかし同日の委員会で、都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者は「都政改革本部から入札制度の改正でヒアリングを受けたことはない」と説明。都議からは、五輪への配慮が適切に反映されないまま制度改正が実行されることへの懸念が示された。

 都の新たな入札制度に対しては、公共事業の受注企業らが加盟する業界団体からも見直しを求める声が上がっている。都議会の一部会派は都政改革本部に対し、業界団体と直接意見交換する場を設けるよう要望している。

 都が17年度に本体・設備工事の入札を公告する競技施設には「有明テニスの森」(江東区有明)と「大井ホッケー競技場」(品川区八潮ほか)がある。

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